ゲンボイヤ配合錠の添付文書

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ゲンボイヤ配合錠のイラスト

商品名: ゲンボイヤ配合錠
一般名: エルビテグラビル/コビシスタット/エムトリシタビン/テノホビル アラフェナミドフマル酸塩配合錠
略称 : GEN
添付文書の読み方

ここで提供している添付文書情報は、2017年7月24日現在の各医薬品の添付文書を基に作成したものです。書式等については、実際の添付文書と異なるところがあります。添付文書情報は随時更新されます。 ご使用の際は、必ず最新の添付文書をご覧下さい。

また、記載されている内容には、専門的な情報が含まれています。文書内の、
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ゲンボイヤ配合錠

2016年6月改訂(第2版)

2016年6月作成

日本標準商品分類番号
87625

規制区分:劇薬、処方箋医薬品注1)

貯法:乾燥剤を同封した気密容器,室温保存開栓後は湿気を避けて保存すること

使用期限:2年6箇月(外箱及びラベルに表示の使用期限を参照のこと)

承認番号 22800AMX00409000
薬価収載 2016年6月
販売開始 2016年7月
国際誕生 2015年11月
注1)注意−医師等の処方箋により使用すること

警告

B型慢性肝炎を合併している患者では,本剤の投与中止により,B型慢性肝炎が再燃するおそれがあるので,本剤の投与を中断する場合には十分注意すること。特に非代償性の場合,重症化するおそれがあるので注意すること。

禁忌

(次の患者には投与しないこと)
  1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  2. 次の薬剤を投与中の患者:カルバマゼピン,フェノバルビタール,フェニトイン,ホスフェニトイン,リファンピシン,セイヨウオトギリソウ(St. John’s Wort:セント・ジョーンズ・ワート)含有食品,ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩,エルゴタミン酒石酸塩,エルゴメトリンマレイン酸塩,メチルエルゴメトリンマレイン酸塩,アスナプレビル,バニプレビル,シンバスタチン,ピモジド,シルデナフィルクエン酸塩(レバチオ),バルデナフィル塩酸塩水和物,タダラフィル(アドシルカ),ブロナンセリン,アゼルニジピン,リバーロキサバン,トリアゾラム,ミダゾラム,テラプレビル(「相互作用」の項参照)

【組成・性状】

有効成分(1錠中) エルビテグラビル150mg,コビシスタット150mg,エムトリシタビン200mg及びテノホビル アラフェナミドフマル酸塩11.2mg(テノホビル アラフェナミドとして10mg)
添加物 二酸化ケイ素,クロスカルメロースNa,ヒドロキシプロピルセルロース,乳糖,セルロース,ラウリル硫酸Na,ステアリン酸Mg,ポリビニルアルコール(部分けん化物),青色2号,マクロゴール,三二酸化鉄,酸化チタン,タルク
性状・剤形 緑色のフィルムコーティング錠
外形 外形
サイズ 長径 約19.2mm,短径 約8.7mm,重量 約1,080mg
識別コード GSI-510

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効能・効果

HIV-1感染症

<効能・効果に関連する使用上の注意>

  1. 以下のいずれかのHIV-1感染症患者に使用すること。
    1. 抗HIV薬による治療経験がない患者
    2. ウイルス学的失敗の経験がなく,切り替え前6ヵ月間以上においてウイルス学的抑制(HIV-1 RNA量が50copies/mL未満)が得られており,エルビテグラビル,エムトリシタビン又はテノホビルに対する耐性関連変異を持たず,本剤への切り替えが適切であると判断される抗HIV薬既治療患者
  2. 本剤による治療にあたっては,患者の治療歴及び可能な場合には薬剤耐性検査(遺伝子型解析あるいは表現型解析)を参考にすること。

用法・用量

通常,成人及び12歳以上かつ体重35kg以上の小児には,1回1錠(エルビテグラビルとして150mg,コビシスタットとして150mg,エムトリシタビンとして200mg及びテノホビル アラフェナミドとして10mgを含有)を1日1回食後に経口投与する。

<用法・用量に関連する使用上の注意>

  1. 本剤はエルビテグラビル,コビシスタット,エムトリシタビン及びテノホビル アラフェナミドフマル酸塩の4成分を含有した配合錠である。これらの成分を含む製剤と併用しないこと。また,テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩を含む製剤についても併用しないこと。
  2. 投与開始時に,クレアチニンクリアランスが30mL/min以上であることを確認すること。また,本剤投与後,クレアチニンクリアランスが30mL/min未満に低下した場合は,投与の中止を考慮すること。

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【使用上の注意】

1.慎重投与

(次の患者には慎重に投与すること)

  1. 重度の腎機能障害のある患者[エムトリシタビンの血中濃度が上昇する(「薬物動態」の項参照)。]
  2. 重度の肝機能障害のある患者[エルビテグラビルの血中濃度が上昇する可能性がある(「薬物動態」の項参照)。]

2.重要な基本的注意

  1. 本剤の使用に際しては,患者又はそれに代わる適切な者に次の事項についてよく説明し同意を得た後,使用すること。
    1. 本剤はHIV感染症の根治療法薬ではないことから,日和見感染症を含むHIV感染症の進展に伴う疾病を発症し続ける可能性があるので,本剤投与開始後の身体状況の変化についてはすべて担当医に報告すること。
    2. 本剤の長期投与による影響については現在のところ不明であること。
    3. 本剤による治療が,性的接触又は血液汚染等による他者へのHIV感染の危険性を低下させるかどうかは証明されていないこと。
    4. 担当医の指示なしに用量を変更したり,服用を中止したりしないこと。
    5. 本剤は併用薬剤と相互作用を起こすことがあるため,服用中のすべての薬剤を担当医に報告すること(「相互作用」の項参照)。また,本剤で治療中に新たに他の薬剤を服用する場合,事前に担当医に相談すること。
  2. 本剤は,CYP3Aの選択的阻害薬であるコビシスタットを含有するため,主としてCYP3Aにより代謝される薬剤と併用する場合には,併用薬の血中濃度モニタリングを行う,診察回数を増やす,また,必要に応じて併用薬の減量を考慮する等,慎重に投与すること(「相互作用」の項及び「薬物動態」の項参照)。
  3. 本剤は,HIV-1感染症に対して1剤で治療を行うものであるため,他の抗HIV薬と併用しないこと。また,コビシスタットと類似の薬理作用を有しているリトナビルを含む製剤,及びエムトリシタビンと類似の薬剤耐性,ウイルス学的特性を有しているラミブジンを含む製剤と併用しないこと。
  4. エムトリシタビン又はテノホビルを含む核酸系逆転写酵素阻害薬の単独投与又はこれらの併用療法により,重篤な乳酸アシドーシス及び脂肪沈着による重度の肝腫大(脂肪肝)が,女性に多く報告されているので,乳酸アシドーシス又は肝細胞毒性が疑われる臨床症状又は検査値異常(アミノトランスフェラーゼの急激な上昇等)が認められた場合には,本剤の投与を一時中止すること。特に肝疾患の危険因子を有する患者においては注意すること。
  5. 抗HIV薬の多剤併用療法を行った患者で,免疫再構築炎症反応症候群が報告されている。投与開始後,免疫機能が回復し,症候性のみならず無症候性日和見感染(マイコバクテリウムアビウムコンプレックス,サイトメガロウイルス,ニューモシスチス等によるもの)等に対する炎症反応が発現することがある。また,免疫機能の回復に伴い自己免疫疾患(甲状腺機能亢進症,多発性筋炎,ギラン・バレー症候群,ブドウ膜炎等)が発現するとの報告があるので,これらの症状を評価し,必要時には適切な治療を考慮すること。
  6. 本剤投与前にクレアチニンクリアランス,尿糖及び尿蛋白の検査を実施すること。また,本剤投与後も定期的な検査等により患者の状態を注意深く観察し,腎機能障害のリスクを有する患者には血清リンの検査も実施すること。腎毒性を有する薬剤との併用は避けることが望ましい。
  7. 非臨床試験及び臨床試験において,骨密度の低下と骨代謝の生化学マーカーの上昇が認められ,骨代謝の亢進が示唆された。また,抗HIV薬による治療経験がないHIV-1感染症患者を対象とした第III相臨床試験において,骨密度が低下した症例が認められた。病的骨折の既往のある患者又はその他の慢性骨疾患を有する患者では,十分な観察を行い,異常が認められた場合には,投与を中止する等,適切な処置を行うこと。
  8. アジア系人種におけるエムトリシタビンの薬物動態は十分に検討されていないが,少数例の健康成人及びB型慢性肝炎のアジア系人種において,Cmaxの上昇を示唆する成績が得られているので,HBV感染症合併患者を含め,副作用の発現に注意すること。
  9. 抗HIV薬の使用により,体脂肪の再分布/蓄積が現れることがあるので,異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
  10. エムトリシタビン製剤の臨床試験において皮膚変色が発現し,その発現頻度は有色人種で高いことが示唆されている。その原因は現在のところ不明である。

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3.相互作用

エルビテグラビル:CYP3Aで代謝され,CYP2C9に対する弱い誘導作用を有する1)

コビシスタット:CYP3A及び一部がCYP2D6で代謝され,CYP3A及びCYP2D6を阻害する2)。また,OCT2の基質であり3),P-gp,BCRP,OATP1B1及びOATP1B3を含むトランスポーターを阻害する4)

テノホビル及びエムトリシタビン:糸球体ろ過と能動的な尿細管分泌により腎排泄される5) 6)

テノホビル アラフェナミド:カテプシンA7) 8),CYP3A9)及びP-gp10)の基質である。

併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
カルバマゼピン(テグレトール)
フェノバルビタール(フェノバール)
フェニトイン(アレビアチン)
ホスフェニトイン(ホストイン)
リファンピシン(リファジン)
セイヨウオトギリソウ(St. John’s Wort:セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
エルビテグラビル及びコビシスタットの血中濃度が著しく低下する可能性がある。また,テノホビル アラフェナミドの血中濃度が低下する可能性がある。 これら薬剤のCYP3A及びP-gpの誘導作用によるため。
ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩(ジヒデルゴット) エルゴタミン酒石酸塩(クリアミン) エルゴメトリンマレイン酸塩(エルゴメトリン) メチルエルゴメトリンマレイン酸塩(メテルギン) これら薬剤の血中濃度が上昇し,重篤な又は生命に危険を及ぼすような事象(末梢血管攣縮,四肢及びその他組織の虚血等)が起こる可能性がある。 コビシスタットのCYP3A阻害作用によるため。
アスナプレビル(スンベプラ) アスナプレビルの血中濃度が上昇し,肝臓に関連した有害事象が発現し,また,重症化する可能性がある。
バニプレビル(バニヘップ) バニプレビルの血中濃度が上昇し,悪心嘔吐下痢の発現が増加する可能性がある。
シンバスタチン(リポバス) シンバスタチンの血中濃度が上昇し,重篤な有害事象(横紋筋融解症を含むミオパチー等)が起こる可能性がある。
ピモジド(オーラップ) ピモジドの血中濃度が上昇し,重篤な又は生命に危険を及ぼすような事象(不整脈等)が起こる可能性がある。
シルデナフィルクエン酸塩(レバチオ) バルデナフィル塩酸塩水和物(レビトラ) タダラフィル(アドシルカ) これら薬剤の血中濃度が上昇し,視覚障害,低血圧,持続勃起及び失神等の有害事象が起こる可能性がある。
ブロナンセリン(ロナセン) アゼルニジピン(カルブロック) リバーロキサバン(イグザレルト) これら薬剤の血中濃度が上昇し,重篤な又は生命に危険を及ぼすような事象が起こる可能性がある。
トリアゾラム(ハルシオン) ミダゾラム(ドルミカム) これら薬剤の血中濃度が上昇し,重篤な又は生命に危険を及ぼすような事象(鎮静作用の延長や増強又は呼吸抑制等)が起こる可能性がある。
テラプレビル(テラビック) テノホビル アラフェナミドの抗HIV-1活性が低下するため,本剤の効果が減弱する可能性がある。 テラプレビルのカテプシンA活性阻害作用によるため。

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
アミオダロン塩酸塩
ベプリジル塩酸塩水和物
ジソピラミド
リドカイン塩酸塩
プロパフェノン塩酸塩
キニジン硫酸塩水和物
これら薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。本剤と併用する場合は,これら薬剤の血中濃度をモニタリングすることが望ましい。 コビシスタットのCYP3A阻害作用によるため。
シクロスポリン
タクロリムス水和物
テムシロリムス
フレカイニド酢酸塩
メキシレチン塩酸塩
クロナゼパム
エトスクシミド
これら薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。本剤と併用する場合は,患者の状態を注意して観察することが望ましい。
アムロジピンベシル酸塩
ジルチアゼム塩酸塩
フェロジピン
ニカルジピン塩酸塩
ニフェジピン
ベラパミル塩酸塩
パロキセチン塩酸塩水和物 アミトリプチリン塩酸塩 イミプラミン塩酸塩 ノルトリプチリン塩酸塩 トラゾドン塩酸塩 これら薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。本剤と併用時にこれら薬剤を増量する場合は慎重に行い,患者の状態を注意して観察することが望ましい。
コルヒチン コルヒチンの血中濃度が上昇する可能性があるため,腎機能障害又は肝機能障害を有する患者には投与を避けること。
フルチカゾンプロピオン酸エステル(吸入剤,点鼻剤) フルチカゾンの血中濃度が上昇し,血清コルチゾール濃度が低下する可能性がある。長期間併用する場合は,他剤への変更を考慮すること。
アトルバスタチンカルシウム水和物 アトルバスタチンの血中濃度が上昇する可能性がある。アトルバスタチンカルシウム水和物と併用する場合は,最少量から投与し,安全性を観察しながら増量すること。
サルメテロールキシナホ酸塩 サルメテロールの血中濃度が上昇し,QT延長,動悸及び洞性頻脈等の心血管系有害事象の発現リスクが上昇する可能性がある。
シルデナフィルクエン酸塩(バイアグラ)
タダラフィル(シアリス)
これら薬剤の血中濃度が上昇し,低血圧,失神,視覚障害及び持続勃起等の有害事象が増加する可能性がある。
クロラゼプ酸二カリウム
ジアゼパム
エスタゾラム
フルラゼパム塩酸塩
ゾルピデム酒石酸塩
これら薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。本剤と併用する場合は,これら薬剤の減量を考慮すること。また,患者の状態を注意して観察することが望ましい。
ボセンタン水和物 これら薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。本剤と併用する場合は,これら薬剤の減量を考慮すること。
ペルフェナジン
リスペリドン
ダサチニブ水和物
ラパチニブトシル酸塩水和物
エベロリムス
ブデソニド
エプレレノン
トルバプタン
エレトリプタン臭化水素酸塩
クエチアピンフマル酸塩
これら薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
デキサメタゾン エルビテグラビル及びコビシスタットの血中濃度が著しく低下する可能性がある。 デキサメタゾンのCYP3A誘導作用によるため。
クラリスロマイシン クラリスロマイシン及びコビシスタットの血中濃度が上昇する可能性がある。 クラリスロマイシン及びコビシスタットのCYP3A阻害作用によるため。
イトラコナゾール
ボリコナゾール
エルビテグラビル,コビシスタット及びこれら薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。 これら薬剤及びコビシスタットのCYP3A等阻害作用によるため。
メトプロロール酒石酸塩
チモロールマレイン酸塩
これら薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。これら薬剤と併用する場合は,患者の状態を注意して観察し,減量等の措置を考慮すること。 コビシスタットのCYP2D6阻害作用によるため。
酒石酸トルテロジン
デキストロメトルファン
臭化水素酸塩水和物
これら薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。 コビシスタットのCYP3A及びCYP2D6阻害作用によるため。
マグネシウム/アルミニウム含有制酸剤 エルビテグラビルの血中濃度が低下する可能性があるため,2時間以上間隔をあけて投与することが望ましい(「薬物動態」の項参照)。 エルビテグラビルが多価陽イオンと錯体(キレート)を形成し吸収が抑制されるため。
ジゴキシン ジゴキシンの血中濃度が上昇する可能性がある。本剤と併用する場合は,血中濃度のモニタリングを行うことが望ましい(「薬物動態」の項参照)。 コビシスタットが消化管においてP-gpを阻害するため。
リファブチン エルビテグラビル及びコビシスタットの血中濃度が著しく低下し,テノホビル アラフェナミドの血中濃度が低下する可能性がある。また,リファブチンの活性代謝物である25-脱アセチル体の血中濃度が上昇する可能性がある(「薬物動態」の項参照)。 リファブチンのCYP3A及びP-gp誘導作用,及びコビシスタットのCYP3A阻害作用によるため。
アシクロビル
バラシクロビル塩酸塩
ガンシクロビル
バルガンシクロビル塩酸塩
これら薬剤,テノホビル又はエムトリシタビンの血中濃度が上昇し,これら薬剤又は本剤による有害事象を増強する可能性がある。 尿細管への能動輸送により排泄される薬剤と併用する場合,排泄経路の競合により排泄が遅延するため。
エチニルエストラジオール エチニルエストラジオールの血中濃度が低下する可能性がある(「薬物動態」の項参照)。 機序不明。
ワルファリンカリウム ワルファリンの血中濃度が低下又は上昇する可能性があるためINRのモニタリングを行うことが望ましい。

4.副作用

抗HIV薬による治療経験がないHIV-1感染症患者を対象とした本剤の海外臨床試験(投与後96週時)において,866例中367例(42.4%)に副作用が認められた。主な副作用は,悪心90例(10.4%),下痢63例(7.3%),頭痛53例(6.1%)等であった。また,抗HIV薬による治療経験があり,ウイルス学的に抑制されているHIV-1感染症患者を対象とした本剤の海外臨床試験(投与後48週時)において,959例中204例(21.3%)に副作用が認められた。主な副作用は,下痢24例(2.5%),悪心22例(2.3%)等であった。(承認時)

(1)重大な副作用

  1. 腎不全又は重度の腎機能障害(1%未満)
    腎機能不全,腎不全,急性腎不全,近位腎尿細管機能障害,ファンコニー症候群,急性腎尿細管壊死,腎性尿崩症又は腎炎等の重度の腎機能障害があらわれることがあるので,定期的に検査を行う等,観察を十分に行い,臨床検査値に異常が認められた場合には,投与を中止する等,適切な処置を行うこと。特に腎機能障害の既往がある患者や腎毒性のある薬剤が投与されている患者では注意すること。
  2. 乳酸アシドーシス(頻度不明)注2)
    乳酸アシドーシスがあらわれることがあるので,このような場合には,投与を中止する等,適切な処置を行うこと。
注2)エムトリシタビン又はテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩を含有する製剤の臨床試験,製造販売後調査及び自発報告等で報告された副作用を示した。

(2)その他の副作用

下記の副作用があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合は適切な処置を行うこと。

  頻度
2%以上 2%未満
種類    
代謝及び栄養障害   食欲減退
精神障害   不眠症,異常な夢
神経系障害 頭痛,浮動性めまい 傾眠
胃腸障害 悪心下痢,放屁 腹部膨満,嘔吐腹痛,上腹部痛,便秘,消化不良
皮膚及び皮下組織障害   発疹
筋骨格系及び結合組織障害   骨減少症,骨粗鬆症
腎及び尿路障害   蛋白尿
一般・全身障害及び投与部位の状態 疲労  

5.高齢者への投与

本剤の高齢者における薬物動態は検討されていない。本剤の投与に際しては,患者の肝,腎及び心機能の低下,合併症,併用薬等を十分に考慮すること。

6.妊婦、産婦、授乳婦等への投与

  1. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には,治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立されていない。動物試験(サル)においてテノホビルの胎児への移行が報告されている11)。]
  2. 本剤服用中は授乳を中止させること。[テノホビル及びエムトリシタビンのヒト乳汁への移行が報告されている12)。なおエルビテグラビル,コビシスタット及びテノホビル アラフェナミドのヒト乳汁への移行は不明である。動物実験(ラット)においてエルビテグラビル及びコビシスタットの乳汁への移行が報告されている。また,女性のHIV感染症患者は,乳児のHIV感染を避けるため,乳児に母乳を与えないことが望ましい。]

7.小児等への投与

低出生体重児,新生児,乳児,幼児,12歳未満又は体重35kg未満の小児に対する安全性は確立していない。

8.過量投与

本剤の過量投与に関するデータは限られている。過量投与時に特有の徴候や症状は不明である。過量投与時には,本剤の副作用(「副作用」の項参照)について十分に観察を行い,必要に応じ一般的な対症療法を行うこと。エムトリシタビン及びテノホビルは血液透析により一部除去される。エルビテグラビル及びコビシスタットは血漿蛋白との結合率が高いため,血液透析又は腹膜透析による除去は有用ではないと考えられる。

9.適用上の注意

粉砕時の安定性データは得られていないため,本剤を粉砕して使用しないこと。

10.その他の注意

健康被験者あるいは軽度から中等度の腎機能障害を有する被験者の腎機能(GFR)に及ぼすコビシスタットの影響を検討した。イオヘキソールクリアランスは変化がなかったが,血清クレアチニン値を用いた推算クレアチニンクリアランス及び24時間内因性クレアチニンクリアランスはプラセボに比べ最大で約28%低下した。なお,健康被験者で腎血漿流量を測定したところ,変化はなかった。

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薬物動態

<日本人における成績>

(1)吸収

健康成人男性に本剤を食直後に単回経口投与した時の,エルビテグラビル,コビシスタット,エムトリシタビン,テノホビル アラフェナミド及びテノホビルの薬物動態パラメータを表1に示す13)

表1 本剤単回経口投与時のエルビテグラビル,コビシスタット,エムトリシタビン,テノホビル アラフェナミド及びテノホビルの薬物動態パラメータ
  エルビテ
グラビル
コビシスタット エムトリ
シタビン
テノホビル
アラフェナミド
テノホビル
tmax
(hr)
4.0
(3.0-5.0)
2.5
(2.0-5.0)
2.0
(1.0-4.0)
1.0
(0.3-2.0)
2.0
(1.0-3.0)
Cmax
(μg/mL)
2.5±0.4 1.1±0.3 2.8±0.7 0.16±0.08 0.01±0.00
t1/2
(hr)
6.0±1.3 3.2±0.8 13.1±3.1 0.42±0.06 42.5±4.2
AUCinf
(μg・hr/mL)
32.3±7.9 6.9±2.9 14.2±2.8 0.15±0.03 0.29±0.05
平均値±標準偏差,12例(テノホビル アラフェナミドt1/2のみ3例),tmax:中央値(最小値−最大値)

(2)食事の影響

本剤を空腹時に投与した場合,普通食(413kcal)摂取時と比較して,エルビテグラビルのCmax及びAUCinfは,それぞれ57%及び50%低下し,コビシスタット,エムトリシタビン,テノホビル アラフェナミド及びテノホビルのCmax及びAUCinfは同程度であった。一方,軽食(250kcal,32%が脂肪由来)摂取時と普通食摂取時との比較では,いずれの成分もCmax及びAUCinfは同程度であった13)

<海外臨床試験における成績>

(1)吸収

HIV-1感染症患者に本剤を食後に反復経口投与した時の,エルビテグラビル,コビシスタット,エムトリシタビン,テノホビル アラフェナミド及びテノホビルの薬物動態パラメータを表2に示す14)

表2 本剤反復経口投与時のエルビテグラビル,コビシスタット,エムトリシタビン,テノホビル アラフェナミド及びテノホビルの薬物動態パラメータ
  エルビテ
グラビル
コビシスタット エムトリ
シタビン
テノホビル
アラフェナミド
テノホビル
tmax
(hr)
3.9
(1.5-12.0)
3.0
(1.5-5.0)
1.5
(0.5-4.0)
1.0
(0.3-3.0)
3.0
(0.8-8.0)
Cmax
(μg/mL)
2.1±0.7 1.5±0.4 2.1±0.4 0.23±0.15 0.02±0.00
t1/2
(hr)
6.9±1.2 3.2±0.7 6.5±0.9 0.6±0.3 48.1±31.2
AUCtau
(μg・hr/mL)
22.8±7.9 9.5±3.2 11.7±1.9 0.23±0.11 0.33±0.05
Ctrough
(μg/mL)
0.29±0.18 0.02±0.02 0.10±0.04 NC 0.01±0.00
平均値±標準偏差,19例,tmax:中央値(最小値−最大値),NC:未算出

(2)分布

エルビテグラビル:ヒト血漿蛋白に対する結合率は1ng/mL〜1.6μg/mLの濃度範囲において濃度に依存せず98〜99%であった。エルビテグラビルの血液中濃度/血漿中濃度比は0.73であった15)

コビシスタット:ヒト血漿蛋白に対する結合率は97〜98%であり16),血液中濃度/血漿中濃度比は0.5であった2)

エムトリシタビン:ヒト血漿蛋白に対する結合率は,0.02〜200μg/mLの濃度範囲において濃度に依存せず4%未満であった。

テノホビル アラフェナミド:テノホビル アラフェナミドのヒト血漿蛋白に対する結合率は77〜86%であった17)

テノホビル:テノホビルのヒト血漿蛋白に対する結合率は0.7%未満であった18)

(3)代謝

エルビテグラビル:肝ミクロソーム及びCYPアイソザイムを用いたin vitro試験において,エルビテグラビルは主にCYP3Aにより代謝され,また,UGT1A1/3により,グルクロン酸抱合を受けた1)

コビシスタット:肝ミクロソーム及びCYPアイソザイムを用いたin vitro 試験において,コビシスタットは主にCYP3Aにより代謝され,一部CYP2D6で代謝された2)。また,in vivo 試料中に,グルクロン酸抱合体は検出されなかった19)

エムトリシタビンin vitro 試験及びin vivo試料中で,代謝物はほとんど検出されなかった20) 21)

テノホビル アラフェナミド:経口投与後,末梢血単核球及びマクロファージのカテプシンA及び肝細胞のカルボキシルエステラーゼ1によりテノホビルに代謝され,その後,テノホビル二リン酸に代謝された7) 8) 22)in vitro 試験において,テノホビル アラフェナミドはCYP3Aでわずかに代謝された9)

(4)排泄

エルビテグラビル:健康被験者にリトナビル100mgでブーストして14C-エルビテグラビル50mgを単回投与したところ,投与量の94.8%が糞中に,6.7%が尿中に排泄された15)

コビシスタット:健康被験者にコビシスタット150mgを6日間反復投与した後に14C-コビシスタット150mgを投与したところ,投与量の86.2%が糞中に,8.2%が尿中に排泄された19)

エムトリシタビン:健康被験者にエムトリシタビン200mgを反復投与した後14C-エムトリシタビンを単回投与したところ,投与量の86%は尿中に,14%は糞中に回収された21)。腎クリアランスが推定クレアチニンクリアランスを上回ったことから,糸球体ろ過と尿細管への能動輸送の両方による排泄が示唆された5)

テノホビル アラフェナミド:健康被験者に14C-テノホビル アラフェナミドフマル酸塩を単回投与したところ,投与量の47.2%が糞中に,36.2%が尿中に排泄された。その主成分はテノホビルであり,糞中の99%,尿中の86%を占めた。また,投与量の1.4%がテノホビル アラフェナミドとして尿中に排泄された23)。テノホビルは腎臓での糸球体ろ過と尿細管への能動輸送の両方により排泄された。

(5)小児HIV-1感染症患者

12歳以上18歳未満で体重35kg以上の小児HIV-1感染症患者を対象とした非盲検試験において,本剤含有成分の薬物動態を検討した。本剤投与時の小児患者におけるエルビテグラビル,コビシスタット,エムトリシタビン,テノホビル アラフェナミド及びテノホビルの薬物動態パラメータを表3に示す24)

表3 本剤反復経口投与時のエルビテグラビル,コビシスタット,エムトリシタビン,テノホビル アラフェナミド及びテノホビルの薬物動態パラメータ
  エルビテ
グラビル
コビシスタット エムトリ
シタビン
テノホビル
アラフェナミド
テノホビル
tmax
(hr)
4.0
(1.0-8.0)
4.0
(1.1-8.0)
2.0
(0.5-5.0)
1.5
(0.3-5.0)
3.0
(0.3-5.0)
Cmax
(μg/mL)
2.2±0.4 1.2±0.4 2.3±0.5 0.17±0.11 0.02±0.00
t1/2
(hr)
6.6±2.6 2.9±0.8 5.4±0.9 0.6±0.3 72.2±117.5
AUCtau
(μg・hr/mL)
23.8±6.1 8.2±3.0 14.4±3.5 0.20±0.10 0.29±0.05
平均値±標準偏差,tmax:中央値(最小値−最大値)24例(コビシスタット,テノホビル アラフェナミド,テノホビルのt1/2及びAUCtauは23例)

(6)腎機能障害を有するHIV-1感染症患者

エルビテグラビル及びコビシスタット:クレアチニンクリアランスが15mL/min以上30mL/min未満の重度の腎機能障害を有する被験者(非透析患者)における,エルビテグラビル150mg及びコビシスタット150mg投与時のエルビテグラビル及びコビシスタットのAUCは,クレアチニンクリアランスが90mL/min超の被験者に対し,それぞれ約25%低下及び約25%上昇した25)

エムトリシタビン:クレアチニンクリアランスが30mL/min未満の重度の腎機能障害を有する被験者における,エムトリシタビンのCmax及びAUCは,クレアチニンクリアランスが80mL/min超の被験者に対し,それぞれ約30%及び約200%上昇した26)

テノホビル アラフェナミド:クレアチニンクリアランスが15mL/min以上30mL/min未満の重度の腎機能障害を有する被験者(非透析患者)における,テノホビル アラフェナミドのCmax及びAUCは,クレアチニンクリアランスが90mL/min超の被験者に対し,それぞれ79%及び92%上昇し,テノホビルのCmax及びAUCは,それぞれ179%及び474%上昇した27)

(7)肝機能障害を有するHIV-1感染症患者

エルビテグラビル及びコビシスタット:中等度の肝機能障害(Child-Pugh分類クラスB)を有する被験者における,エルビテグラビル150mg及びコビシスタット150mg投与時のエルビテグラビル及びコビシスタットのAUCは,肝機能正常被験者に対し,エルビテグラビルでは35%上昇したが,コビシスタットでは変化は認められなかった28)

エムトリシタビン肝機能障害を有する被験者における薬物動態は検討していない。

テノホビル アラフェナミド:軽度の肝機能障害(Child-Pugh分類クラスA)を有する被験者における,テノホビル アラフェナミドのCmax及びAUCは,肝機能正常被験者に対し,それぞれ11%及び8%低下し,テノホビルのCmax及びAUCは,それぞれ3%及び11%低下した。また,中等度の肝機能障害(Child-Pugh分類クラスB)を有する被験者における,テノホビル アラフェナミドのCmax及びAUCは,肝機能正常被験者に対し,それぞれ19%及び13%上昇し,テノホビルのCmax及びAUCは,それぞれ12%及び3%低下した29)。いずれの成分においても,重度の肝機能障害(Child-Pugh分類クラスC)を有する被験者における薬物動態は検討していない。

(8)薬物相互作用

1)非臨床における薬物相互作用試験

エルビテグラビル:CYP3Aに対する弱い阻害作用を示し,CYP3A及びCYP2C9に対する誘導作用も認められた30) 31)
また,P-gp,BCRP,OATP1B1及びOATP1B3の基質であり,P-gp,BCRP,OATP1B3及びMATE1に対する阻害作用が認められた32) 33)

コビシスタット:CYP3Aに対する強い阻害作用が認められた34)。CYP2B6,CYP2C8,CYP2D6及びUGT1A1に対しても弱い阻害作用を示し,CYP3Aに対する弱い誘導作用も認められた35)。また,P-gp,BCRP,OATP1B1,OATP1B3及びOCT2の基質であり,P-gp,BCRP,BSEP,OATP1B1,OATP1B3,MATE1,MATE2-K,OCT1,OCT2,OCTN1,MRP1,MRP2及びMRP4に対する阻害作用を示した32) 36)

エムトリシタビン:OAT3の基質である37)

テノホビル アラフェナミド:P-gp,BCRP,OATP1B1及びOATP1B3の基質である10) 38)。また,テノホビルは,OAT1,OAT3及びMRP4の基質であり,OAT1に対する弱い阻害作用を示した39) 40)

2)臨床における薬物相互作用試験

健康成人に対し,本剤又は本剤の有効成分を含有する製剤と併用薬を投与した時の,本剤の有効成分又は併用薬の薬物動態への影響を表4〜8に示す。

表4 併用薬投与時のエルビテグラビルの薬物動態パラメータ比
併用薬 併用薬の用量・投与方法注3) エルビテグラビルの用量 コビシスタット又はリトナビルの用量 例数 他剤併用時/非併用時のエルビテグラビルの薬物動態パラメータ平均比(90%信頼区間)
Cmax AUC Cmin
マグネシウム/アルミニウム含有制酸剤41) 20mL
4hr前
単回
50mg
単回
リトナビル
100mg
単回
8 0.95
(0.84, 1.07)
0.96
(0.88, 1.04)
1.04
(0.93, 1.17)
20mL
4hr後
単回
10 0.98
(0.88, 1.10)
0.98
(0.91, 1.06)
1.00
(0.90, 1.11)
20mL
2hr前
単回
11 0.82
(0.74, 0.91)
0.85
(0.79, 0.91)
0.90
(0.82, 0.99)
20mL
2hr後
単回
10 0.79
(0.71, 0.88)
0.80
(0.75, 0.86)
0.80
(0.73, 0.89)
ファモチジン41) 40mg
12hr後
1日1回
150mg
1日1回
コビシスタット
150mg
1日1回
10 1.02
(0.89, 1.17)
1.03
(0.95, 1.13)
1.18
(1.05, 1.32)
40mg
同時
1日1回
16 1.00
(0.92, 1.10)
1.03
(0.98, 1.08)
1.07
(0.98, 1.17)
ケトコナゾール42) 200mg
1日2回
150mg
1日1回
リトナビル
100mg
1日1回
18 1.17
(1.04, 1.33)
1.48
(1.36, 1.62)
1.67
(1.48, 1.88)
レジパスビル/ソホスブビル43) 90/400mg
1日1回
150mg
1日1回
コビシスタット
150mg
1日1回
29 0.88
(0.82, 0.95)
1.02
(0.95, 1.09)
1.36
(1.23, 1.49)
オメプラゾール41) 40mg
2hr前
1日1回
50mg
1日1回
リトナビル
100mg
1日1回
9 093
(0.83, 1.04)
0.99
(0.91, 1.07)
0.94
(0.85, 1.04)
20mg
2hr前
1日1回
150mg
1日1回
コビシスタット
150mg
1日1回
11 1.16
(1.04, 1.30)
1.10
(1.02, 1.19)
1.13
(0.96, 1.34)
20mg
12hr後
1日1回
11 1.03
(0.92, 1.15)
1.05
(0.93, 1.18)
1.10
(0.92, 1.32)
リファブチン44) 150mg
隔日1回
150mg 1日1回 コビシスタット
150mg
1日1回
12 0.91
(0.84, 0.99)
0.79
(0.74, 0.85)
0.33
(0.27, 0.40)
ロスバスタチン45) 10mg
単回
150mg
1日1回
コビシスタット
150mg
1日1回
10 0.94
(0.83, 1.07)
1.02
(0.91, 1.14)
0.98
(0.83, 1.16)
テラプレビル46) 750mg
1日3回
150mg
1日1回
コビシスタット
150mg
1日1回
16 0.79
(0.74, 0.85)
0.84
(0.79, 0.89)
1.29
(1.14, 1.46)
注3)エルビテグラビル製剤投与からの時間(hr:時間)
表5 併用薬投与時のコビシスタットの薬物動態パラメータ比
併用薬 併用薬の用量・投与方法注4) エルビテグラビルの用量 コビシスタットの用量 例数 他剤併用時/非併用時のコビシスタットの薬物動態パラメータ平均比(90%信頼区間)
Cmax AUC Cmin
ファモチジン41) 40mg
12hr後
1日1回
150mg
1日1回
150mg
1日1回
10 1.04
(0.99, 1.08)
1.05
(1.02, 1.08)
1.15
(1.06, 1.26)
40mg
同時
1日1回
16 1.06
(0.99, 1.13)
1.03
(0.97, 1.11)
1.11
(1.00, 1.24)
レジパスビル/ソホスブビル43) 90/400mg
1日1回
150mg
1日1回
150mg
1日1回
29 1.25
(1.18, 1.32)
1.59
(1.49, 1.70)
4.25
(3.47, 5.22)
オメプラゾール41) 20mg
2hr前
1日1回
150mg
1日1回
150mg
1日1回
11 0.90
(0.82, 0.99)
0.92
(0.85, 1.01)
0.93
(0.74, 1.17)
20mg
12hr後
1日1回
11 0.94
(0.85, 1.05)
0.99
(0.89, 1.09)
1.02
(0.82, 1.28)注5)
テラプレビル46) 750mg
同時
1日3回
150mg
1日1回
150mg
1日1回
16 0.87
(0.82, 0.93)
1.02
(0.95, 1.09)
3.32
(2.82, 3.92)
ダルナビル47) 800mg
1日1回
NA注6) 150mg
1日1回注6)
14 1.06
(1.00, 1.12)
1.09
(1.03, 1.15)
1.11
(0.98, 1.25)
NA:投与せず
注4)コビシスタット製剤投与からの時間(hr:時間)
注5)Cminのみ10例
注6)ダルナビル/コビシスタットとエムトリシタビン/テノホビル アラフェナミドフマル酸塩を用いた薬物動態試験
表6 併用薬投与時のテノホビル アラフェナミドの薬物動態パラメータ比
併用薬 併用薬の用量・投与方法 テノホビル アラフェナミドの用量 例数 他剤併用時/非併用時のテノホビル アラフェナミドの薬物動態パラメータ平均比(90%信頼区間)
Cmax AUC Cmin
コビシスタット47) 150mg
1日1回
8mg
1日1回
12 2.83
(2.20, 3.65)
2.65
(2.29, 3.07)
NC
セルトラリン48) 50mg
1日1回
10mg
1日1回注7)
19 1.00
(0.86, 1.16)
0.96
(0.89, 1.03)
NC
エファビレンツ47) 600mg
1日1回
空腹時
40mg
1日1回注8)
11 0.78
(0.58, 1.05)
0.86
(0.72, 1.02)
NC
ダルナビル/コビシスタット47) 800/150mg
1日1回
25mg
1日1回注8)
14 0.93
(0.72, 1.21)
0.98
(0.80, 1.19)
NC
NC:未算出
注7)本剤を用いた薬物動態試験
注8)エムトリシタビン/テノホビル アラフェナミドフマル酸塩を用いた薬物動態試験
表7 併用薬投与時のテノホビルの薬物動態パラメータ比
併用薬 併用薬の用量・投与方法 テノホビルの用量 例数 他剤併用時/非併用時のテノホビルの薬物動態パラメータ平均比(90%信頼区間)
Cmax AUC Cmin
テラプレビル46) 750mg
1日3回
テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩300mg
1日1回注9)
16 1.03
(0.91, 1.16)
1.06
(1.02, 1.09)
1.08
(1.05, 1.12)
コビシスタット47) 150mg
1日1回
テノホビル アラフェナミド8mg
1日1回注10)
12 3.34
(3.02, 3.70)
3.31
(3.10, 3.53)
3.35
(3.12, 3.59)
セルトラリン48) 50mg
1日1回
テノホビル アラフェナミド10mg
1日1回注11)
19 1.10
(1.00, 1.21)
1.02
(1.00, 1.04)
1.01
(0.99, 1.03)
エファビレンツ47) 600mg
1日1回
空腹時
テノホビル アラフェナミド40mg
1日1回注10)
11 0.75
(0.67, 0.86)
0.80
(0.73, 0.87)
0.82
(0.75, 0.89)
ダルナビル/コビシスタット47) 800/150mg
1日1回
テノホビル アラフェナミド25mg
1日1回注10)
11 3.16
(3.00, 3.33)
3.24
(3.02, 3.47)
3.21
(2.90, 3.54)
注9)スタリビルド配合錠(エルビテグラビル,コビシスタット,エムトリシタビン及びテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩を含有する抗HIV薬)を用いた薬物動態試験
注10)エムトリシタビン/テノホビル アラフェナミドフマル酸塩を用いた薬物動態試験
注11)本剤を用いた薬物動態試験
表8 エルビテグラビル製剤及びコビシスタット製剤,コビシスタット製剤,スタリビルド配合錠又は本剤投与時の併用薬の薬物動態パラメータ比
併用薬 併用薬の用量 エルビテグラビルの用量 コビシスタットの用量 例数 他剤併用時/非併用時の併用薬の薬物動態パラメータ平均比(90%信頼区間)
Cmax AUC Cmin
ブプレノルフィン49) 16〜24mg
1日1回
150mg
1日1回
150mg
1日1回
17 1.12
(0.98, 1.27)
1.35
(1.18, 1.55)
1.66
(1.43, 1.93)
ノルブプレノルフィン49) 1.24
(1.03, 1.49)
1.42
(1.22, 1.67)
1.57
(1.31, 1.88)
デシプラミン
(国内未承認)50)
50mg
単回
NA 150mg
1日1回
8 1.24
(1.08, 1.44)
1.65
(1.36, 2.02)
NC
ジゴキシン50) 0.5mg
単回
NA 150mg
1日1回
22 1.41
(1.29, 1.55)
1.08
(1.00, 1.17)
NC
レジパスビル43) 90mg
1日1回
150mg
1日1回
150mg
1日1回
29 1.63
(1.51, 1.75)
1.78
(1.64, 1.94)
1.91
(1.76, 2.08)
ソホスブビル43) 400mg
1日1回
1.33
(1.14, 1.56)
1.36
(1.21, 1.52)
NC
ソホスブビル主要代謝物43) 1.33
(1.22, 1.44)
1.44
(1.41, 1.48)
1.53
(1.47, 1.59)
ナロキソン49) 4〜6mg
1日1回
150mg
1日1回
150mg
1日1回
17 0.72
(0.61, 0.85)
0.72
(0.59, 0.87)
NC
ノルゲスチメート及びエチニルエストラジオール51) 0.180/0.215/0.250mgノルゲスチメート
1日1回
150mg
1日1回注12)
150mg
1日1回注12)
13 2.08
(2.00, 2.17)
2.26
(2.15, 2.37)
2.67
(2.43, 2.92)
0.025mgエチニルエストラジオール
1日1回
0.94
(0.86, 1.04)
0.75
(0.69, 0.81)
0.56
(0.52, 0.61)
R-メサドン52) 80〜120mg
1日1回
150mg
1日1回
150mg
1日1回
11 1.01
(0.91, 1.13)
1.07
(0.96, 1.19)
1.10
(0.95, 1.28)
S-メサドン52) 0.96
(0.87, 1.06)
1.00
(0.89, 1.12)
1.02
(0.89, 1.17)
リファブチン44) 150mg
隔日1回
150mg
1日1回
150mg
1日1回
12 1.09
(0.98, 1.20)注13)
0.92
(0.83, 1.03)注13)
0.94
(0.85, 1.04)注13)
25-脱アセチル体代謝物44) 4.84
(4.09, 5.74)注13)
6.25
(5.08, 7.69)注13)
4.94
(4.04, 6.04)注13)
ロスバスタチン45) 10mg
単回
150mg
1日1回
150mg
1日1回
10 1.89
(1.48, 2.42)
1.38
(1.14, 1.67)
NC
テラプレビル46) 750mg
1日3回
150mg
1日1回注12)
150mg
1日1回注12)
15 1.06
(0.97, 1.16)
1.13
(1.00, 1.29)
1.15
(1.05, 1.25)
ダルナビル47) 800mg
1日1回
NA注14) 150mg
1日1回注14)
14 1.02
(0.96, 1.09)
0.99
(0.92, 1.07)
0.97
(0.82, 1.15)
NA:投与せず,NC:未算出
注12)スタリビルド配合錠を用いた薬物動態試験
注13)リファブチン300mg 1日1回投与時との比較
注14)ダルナビル/コビシスタットとエムトリシタビン/テノホビル アラフェナミドフマル酸塩を用いた薬物動態試験

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臨床成績

<海外臨床試験における成績>

(1) 抗HIV薬による治療経験がないHIV-1感染症患者を対象とした臨床試験

292-0104試験及び292-0111試験53):スタリビルド配合錠を対照とした無作為化二重盲検並行比較試験2試験の結果を表9に示す(投与後48週時及び96週時)。なお,国内において292-0104試験に組み入れられた被験者10例(本剤投与群4例,スタリビルド配合錠投与群6例)における投与後48週時のHIV-1 RNA量が50copies/mL未満の被験者の割合は,本剤投与群及びスタリビルド配合錠投与群ともに100%であった。

表9 292-0104試験及び292-0111試験の結果(投与後48週時及び96週時)
  292-0104試験 292-0111試験
本剤投与群
(435例)
スタリビルド
配合錠投与群
(432例)
本剤投与群
(431例)
スタリビルド
配合錠投与群
(435例)
48週時
ウイルス学的効果
HIV-1 RNA量
50copies/mL未満
405
(93.1%)
401
(92.8%)
396
(91.9%)
386
(88.7%)
群間差
(95.002%信頼区間)
0.5%
(-3.0%, 4.0%)
3.1%
(-0.9%, 7.1%)
ウイルス学的失敗例注15) 13
(3.0%)
11
(2.5%)
18
(4.2%)
23
(5.3%)
96週時
ウイルス学的効果
HIV-1 RNA量
50copies/mL未満
388
(89.2%)
381
(88.2%)
362
(84.0%)
358
(82.3%)
群間差
(95%信頼区間)
1.3%
(-2.9%, 5.5%)
1.7%
(-3.3%, 6.8%)
ウイルス学的失敗例注15) 16
(3.7%)
11
(2.5%)
23
(5.3%)
24
(5.5%)
例数(%)
注15)投与後48週又は96週時の血漿中HIV-1 RNA量が50copies/mL以上の症例,治療効果の欠如及び減弱により早期に中止した症例,有害事象,死亡,治療効果の欠如又は減弱以外の理由で中止した症例のうち,中止時の血漿中HIV-1 RNA量が50copies/mL以上であった症例

(2) 抗HIV薬による治療経験があり,ウイルス学的に抑制されているHIV-1感染症患者を対象とした臨床試験

292-0109試験54):エムトリシタビン/テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩を含むレジメンから本剤に切り替えた際の,本剤の有効性及び安全性を検討するために実施した,エムトリシタビン/テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩を含むレジメン継続投与を対照とした無作為化非盲検並行比較試験の結果を表10に示す(投与後48週時)。

表10 292-0109試験の結果(投与後48週時)
  本剤投与群
(959例)
エムトリシタビン/テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩を含むレジメンの継続投与群
(477例)
ウイルス学的効果
HIV-1 RNA量50copies/mL未満
932
(97.2%)
444
(93.1%)
群間差(95%信頼区間) 4.1%
(1.6%, 6.7%)
ウイルス学的失敗例注16) 10
(1.0%)
6
(1.3%)
例数(%)
注16)投与後48週時の血漿中HIV-1 RNA量が50copies/mL以上の症例,治療効果の欠如及び減弱により早期に中止した症例,有害事象,死亡,治療効果の欠如又は減弱以外の理由で中止した症例のうち,中止時の血漿中HIV-1 RNA量が50copies/mL以上であった症例

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薬効薬理

1.作用機序

エルビテグラビル:エルビテグラビルは,HIV-1インテグラーゼの阻害薬である。インテグラーゼの阻害により,HIV-DNAの宿主DNAへの組み込みを抑え,HIV-1プロウイルスの形成及びウイルス増殖を阻止する。エルビテグラビルは,ヒトトポイソメラーゼI及びIIのいずれも阻害しない55)

コビシスタット:コビシスタットは,CYP3Aの選択的な阻害薬である2)

エムトリシタビン:エムトリシタビンは,シチジンの合成ヌクレオシド誘導体であり,細胞内酵素によりリン酸化されエムトリシタビン5’-三リン酸となる56)。エムトリシタビン5’-三リン酸はHIV-1逆転写酵素の基質であるデオキシシチジン5’-三リン酸と競合すること及び新生ウイルスDNAに取り込まれた後にDNA鎖伸長を停止させることにより,HIV-1逆転写酵素の活性を阻害する57)。哺乳類のDNAポリメラーゼα,β,ε及びミトコンドリアDNAポリメラーゼγに対するエムトリシタビン5’-三リン酸の阻害作用は弱い。

テノホビル アラフェナミド:テノホビル アラフェナミドは,テノホビルのホスホンアミド酸プロドラッグ(2’-デオキシアデノシン一リン酸誘導体)である。テノホビル アラフェナミドは,血漿中の安定性が高く,細胞内透過性を有し,末梢血単核球及びマクロファージ中のカテプシンAにより加水分解を受けて細胞内にテノホビルを送達する。その後,細胞内酵素によってリン酸化を受け,テノホビル二リン酸となる58)。テノホビル二リン酸は,HIV-1逆転写酵素の基質であるデオキシアデノシン5’-三リン酸と競合すること及びDNAに取り込まれた後にDNA鎖伸長を停止させることにより,HIV-1逆転写酵素の活性を阻害する。哺乳類のDNAポリメラーゼα,β及びミトコンドリアDNAポリメラーゼγに対するテノホビル二リン酸の阻害作用は弱い59)

2.抗ウイルス作用(in vitro)

エルビテグラビル,エムトリシタビン及びテノホビル アラフェナミドを細胞培養系で評価した結果,相乗的な抗ウイルス活性が認められた。また,コビシスタットを加えてもエルビテグラビル,エムトリシタビン及びテノホビル アラフェナミドの抗ウイルス活性は維持された。

エルビテグラビル:ヒトTリンパ芽球様細胞,単球/マクロファージ及び末梢血リンパ球初代培養細胞を用いて,HIV-1の実験室株及び臨床分離株に対するエルビテグラビルの抗ウイルス活性を評価した。エルビテグラビルの50%阻害濃度(EC50値)は0.02〜1.7nMの範囲であった60)

コビシスタット:コビシスタットは,HIV-1,HBV及びHCVに対する抗ウイルス活性を有さず,また,エルビテグラビル,エムトリシタビンあるいはテノホビルの抗ウイルス活性に対する拮抗作用は認められなかった61)

エムトリシタビン:ヒトTリンパ芽球様細胞株,MAGI-CCR5細胞株及び末梢血単核球初代培養細胞を用いて,HIV-1の実験室株及び臨床分離株に対するエムトリシタビンの抗ウイルス活性を評価した。エムトリシタビンのEC50値は,0.0013〜0.64μMの範囲であった62) 63)

テノホビル アラフェナミド:ヒトTリンパ芽球様細胞株,単球/マクロファージ及び末梢血リンパ球初代培養細胞を用いて,HIV-1の実験室株及び臨床分離株に対するテノホビル アラフェナミドの抗ウイルス活性を評価した。テノホビル アラフェナミドのEC50値は,0.1〜15.7nMの範囲であった64)

3.薬剤耐性

(1)in vitro試験

エルビテグラビルin vitro試験で誘導されたエルビテグラビルに対する感受性が低下したHIV-1分離株には,インテグラーゼのT66A/I,E92G/Q,S147G及びQ148Rが主要変異として認められた。また,主要変異が認められたHIV-1分離株には,D10E,S17N,H51Y,F121Y,S153F/Y,E157Q,D232N,R263K及びV281Mも認められた。

エムトリシタビン:エムトリシタビンに対する感受性低下は,HIV-1逆転写酵素のM184V/I変異と関連が認められた65)

テノホビル アラフェナミド:テノホビル アラフェナミドに対する感受性が低下したHIV-1分離株では,K65R変異が発現しており,K70E変異も一過性に認められた66)

(2)臨床試験

抗HIV薬による治療経験がないHIV-1感染症患者:292-0104試験及び292-0111試験において,ウイルス学的失敗と判定された被験者のうち,投与96週後又は早期に試験中止となった時点の血漿中HIV-1 RNA量が400copies/mLを超えた被験者から分離したHIV-1を解析し,19例(2.2%,19/866例)の遺伝子型及び表現型解析結果が得られた。遺伝子型解析結果から,エルビテグラビル,エムトリシタビン又はテノホビルの主要耐性関連変異が一つ以上認められたのは,10例(1.2%,10/866例)であった。認められた変異は,逆転写酵素領域のM184V/I(9例),K65R/N(2例)及びK70R(1例),インテグラーゼ領域のT66A/I/V(2例),E92Q(4例),Q148R(1例)及びN155H/S(2例)であった。また,表現型解析結果から,エルビテグラビルに対する感受性が野生株に対して10.9倍から101倍低下したHIV-1分離株が7例(0.8%,7/866例)に,エムトリシタビンに対する感受性が野生株に対して28倍から117倍超低下したHIV-1分離株が8例(0.9%,8/866例)に,テノホビルに対する感受性が野生株に対して3倍低下したHIV-1分離株が1例(0.1%,1/866例)に認められた。

抗HIV薬による治療経験があり,ウイルス学的に抑制されているHIV-1感染症患者:292-0109試験において,投与48週時点で遺伝子型及び表現型解析の対象となった被験者に耐性変異は認められなかった。

4.交差耐性

エルビテグラビル耐性のHIV-1分離株はエムトリシタビン又はテノホビルに対して交差耐性を示さず,エムトリシタビン又はテノホビル耐性のHIV-1分離株はエルビテグラビルに対して交差耐性を示さなかった67)

エルビテグラビル:エルビテグラビル耐性ウイルスは,変異の種類及び数に応じて,インテグラーゼ阻害薬であるラルテグラビルに対して様々な程度の交差耐性を示す。T66I/A変異を持つウイルスはラルテグラビルに対する感受性を維持しているが,その他のほとんどのエルビテグラビル耐性ウイルスはラルテグラビルに対する感受性が低下した。エルビテグラビル又はラルテグラビル耐性変異を持つウイルスはドルテグラビルに対する感受性を維持した68) 69)

エムトリシタビン:核酸系逆転写酵素阻害薬の間で交差耐性が認められた。エムトリシタビン耐性のM184V/I変異を有するHIV-1株は,ラミブジンに対して交差耐性を示した。また,アバカビル,ジダノシン及びテノホビルの投与によりin vivoで出現したK65R変異を有するHIV-1株では,エムトリシタビンに対する感受性の低下が確認された66) 70)

テノホビル アラフェナミド:K65R及びK70E変異を持つHIV-1株は,アバカビル,ジダノシン,ラミブジン,エムトリシタビン及びテノホビルに対する感受性の低下を示すが,ジドブジンに対する感受性を維持する。T69S二重挿入変異又はK65Rを含むQ151M複合変異を持ち,核酸系逆転写酵素阻害薬に多剤耐性を示すHIV-1は,テノホビルに対する感受性の低下を示した71) 72) 73)

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有効成分に関する理化学的知見

一般名
エルビテグラビル Elvitegravir
化学名
6-[(3-Chloro-2-fluorophenyl)methyl]-1-[(2S )-1-hydroxy-3-methylbutan-2-yl]-7-methoxy-4-oxo-1,4-dihydroquinoline-3-carboxylic acid
分子式
C23H23ClFNO5
分子量
447.88
化学構造式
性状
白色〜微黄色の粉末であり,ジメチルスルホキシド,N, N -ジメチルホルムアミド又はテトラヒドロフランに溶けやすく,アセトニトリル,メタノール又はエタノール(95)にやや溶けにくく,2-プロパノールに溶けにくく,水にほとんど溶けない。
融点
約163℃
分配係数
LogD=4.5(pH6.8)
一般名
コビシスタット Cobicistat
化学名
1,3-Thiazol-5-ylmethyl{(2R ,5R )-5-[(2S )-2-(3-methyl-3-{[2-(1-methylethyl)-1,3-thiazol-4-yl]methyl}ureido)-4-(morpholin-4-yl)butanamido]-1,6-diphenylhexan-2-yl}carbamate
分子式
C40H53N7O5S2
分子量
776.02
化学構造式
性状
白色〜微黄色の固体であり,アセトニトリル,ジクロロメタン,ジメチルスルホキシド又はメタノールに溶けやすく,水又はヘプタンにほとんど溶けない。
融点
ガラス転移温度35℃,約200℃(分解)
分配係数
4.3(1-オクタノール/pH8.5のリン酸塩緩衝液)
一般名
エムトリシタビン Emtricitabine
化学名
4-Amino-5-fluoro-1-[(2R ,5S )-2-(hydroxymethyl)-1,3-oxathiolan-5-yl]pyrimidin-2(1H )-one
分子式
C8H10FN3O3S
分子量
247.25
化学構造式
性状
白色〜帯黄白色の粉末であり,水,メタノールに溶けやすく,アセトニトリルに溶けにくく,酢酸イソプロピルに極めて溶けにくい。
融点
約155℃
分配係数
-0.43(オクタノール/水)
一般名
テノホビル アラフェナミドフマル酸塩
Tenofovir Alafenamide Fumarate
化学名
1-Methylethyl N -[(S )-{[(1R )-2-(6-amino-9H -purin-9-yl)-1-methylethoxy]methyl}phenoxyphosphinoyl]-L-alaninate hemifumarate
分子式
(C21H29N6O5P)2・C4H4O4
分子量
1069.00
化学構造式
性状
白色〜灰白色又は白色〜くすんだ黄赤色の粉末であり,メタノールに溶けやすく,エタノール(99.5)にやや溶けやすく,水又は2-プロパノールにやや溶けにくく,アセトン又はアセトニトリルに溶けにくく,トルエンに極めて溶けにくい。
融点
約132℃
分配係数
1.6(1-オクタノール/pH7のリン酸塩緩衝液)

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承認条件

  1. 医薬品リスク管理計画を策定の上,適切に実施すること。
  2. 本剤の使用に当たっては,患者に対して本剤に関して更なる有効性・安全性のデータを引き続き収集中であること等を十分に説明し,インフォームドコンセントを得るよう,医師に要請すること。
  3. 現在実施中又は計画中の臨床試験については,終了後速やかに試験成績及び解析結果を提出すること。
  4. 再審査期間が終了するまでの間,原則として国内の全投与症例を対象とした製造販売後調査を実施し,本剤の使用実態に関する情報(患者背景,有効性・安全性(他剤併用時の有効性・安全性を含む)及び薬物相互作用のデータ等)を収集して定期的に報告するとともに,調査の結果を再審査申請時に提出すること。

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【包装】

ゲンボイヤ配合錠:30錠/瓶

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【主要文献及び文献請求先】

主要文献

  1. Ramanathan S. et al.:Clin Pharmacokinet. 50(4):229-244, 2011
  2. コビシスタットの薬物動態に関する検討(社内資料 216-2025)
  3. コビシスタットの薬物動態に関する検討(社内資料 236-2011)
  4. コビシスタットの薬物動態に関する検討(社内資料 216-2072)
  5. エムトリシタビンの薬物動態に関する検討(社内資料 FTC-101)
  6. テノホビルの薬物動態に関する検討(社内資料 901/701)
  7. Birkus G. et al.:Antimicrob. Agents Chemother. 51(2):543-550, 2007
  8. Birkus G. et al.:Mol Pharmacol. 74(1):92-100, 2008
  9. テノホビル アラフェナミドの薬物動態に関する検討(社内資料 120-2004)
  10. テノホビル アラフェナミドの薬物動態に関する検討(社内資料 120-2018)
  11. テノホビルの薬物動態に関する検討(社内資料 1278-005)
  12. Benaboud S. et al.:Antimicrob. Agents Chemother. 55(3):1315-1317, 2011
  13. 日本人における薬物動態に関する検討(社内資料 SBX5-1)
  14. Paul E. S. et al.:J Acquir Immune Defic Syndr. 67(1):52-58, 2014
  15. エルビテグラビルの薬物動態に関する検討(社内資料 183-0126)
  16. コビシスタットの薬物動態に関する検討(社内資料 216-2026)
  17. テノホビル アラフェナミドの薬物動態に関する検討(社内資料 120-0108/0114)
  18. テノホビルの薬物動態に関する検討(社内資料 P2000117)
  19. コビシスタットの代謝及び排泄に関する検討(社内資料 216-0111)
  20. エムトリシタビンの薬物動態に関する検討(社内資料 15396)
  21. エムトリシタビンの薬物動態に関する検討(社内資料 FTC-106)
  22. テノホビル アラフェナミドの代謝酵素に関する検討(社内資料 120-2031)
  23. テノホビル アラフェナミドのマスバランスに関する検討(社内資料 120-0109)
  24. 小児HIV-1感染症患者を対象とした臨床試験(社内資料 292-0106)
  25. エルビテグラビル及びコビシスタットの腎機能障害患者における薬物動態に関する検討(社内資料 216-0124)
  26. エムトリシタビンの薬物動態に関する検討(社内資料 FTC-107)
  27. テノホビル アラフェナミドの腎機能障害患者における薬物動態の検討(社内資料 120-0108)
  28. Joseph M. C. et al.:Antimicrob. Agents Chemother. 58(5):2564-2569, 2014
  29. テノホビル アラフェナミドの肝機能障害患者における薬物動態の検討(社内資料 120-0114)
  30. エルビテグラビルの薬物動態に関する検討(社内資料 JTK303-027)
  31. エルビテグラビルの薬物動態に関する検討(社内資料 JTK303-023)
  32. エルビテグラビル及びコビシスタットの薬物動態に関する検討(社内資料 236-2001/2002/2003/2004/2005)
  33. エルビテグラビルの薬物動態に関する検討(社内資料 183-2030)
  34. コビシスタットの薬物動態に関する検討(社内資料 216-2028)
  35. コビシスタットの薬物動態に関する検討(社内資料 216-2029/2070/2071/2075)
  36. コビシスタットの薬物動態に関する検討(社内資料 216-2030/2094/2098/2100/2105/2112_236-2008)
  37. エムトリシタビンの薬物動態に関する検討(社内資料 236-2010)
  38. テノホビル アラフェナミドの薬物動態に関する検討(社内資料 120-2022)
  39. Adrian S. R. et al.:Antimicrob. Agents Chemother. 50(10):3297-3304, 2006
  40. Cihlar T. et al.:Nucleosides Nucleotides Nucleic Acids. 20(4-7):641-8, 2001
  41. Ramanathan S. et al.:J Acquir Immune Defic Syndr. 64(1):45-50, 2013
  42. ケトコナゾールとの相互作用の検討(社内資料 183-0146)
  43. レジパスビル,ソホスブビルとの相互作用の検討(社内資料 344-0102)
  44. リファブチンとの相互作用の検討(社内資料 216-0123)
  45. Joseph M. C. et al.:J Clin Pharmacol. 54(6):649-656, 2014
  46. テラプレビルとの相互作用の検討(社内資料 236-0135)
  47. ダルナビル,コビシスタット及びエファビレンツとの相互作用の検討(社内資料 311-0101)
  48. セルトラリンとの相互作用の検討(社内資料 292-1316)
  49. Robert D. B. et al.:J Acquir Immune Defic Syndr. 63(4):480-484, 2013
  50. ジゴキシン,デシプラミンとの相互作用の検討(社内資料 216-0112)
  51. エチニルエストラジオールとの相互作用の検討(社内資料 236-0106)
  52. Robert D. B. et al.:Antimicrob. Agents Chemother. 57(12):6154-6157, 2013
  53. Wohl D. et al.:J Acquir Immune Defic Syndr. DOI:10.1097/QAI. 0000000000000940.1097, 2016
  54. Mills A. et al.:Lancet Infect Dis. 16(1):43-52, 2016
  55. エルビテグラビルの薬効薬理に関する検討(社内資料 303-001/002/004)
  56. Paff M.T. et al.:Antimicrob. Agents Chemother. 38(6):1230-1238, 1994
  57. Feng J.Y. et al.:FASEB J. 13(12):1511-1517, 1999
  58. Robbins B.L. et al.:Antimicrob. Agents Chemother. 42(3):612-617, 1998
  59. Cihlar T. et al.:Antivir. Chem. Chemother. 8(3):187-195, 1997
  60. エルビテグラビルの抗ウイルス作用に関する検討(社内資料 303-010)
  61. コビシスタットの抗ウイルス作用に関する検討(社内資料 216-2001)
  62. Jeong L.S. et al.:J. Med. Chem. 36(2):181-195, 1993
  63. Schinazi R.F. et al.:Antimicrob. Agents Chemother. 36(11):2423-2431, 1992
  64. テノホビル アラフェナミドの抗ウイルス活性に関する検討(社内資料 120-2003/2004/2007/2017)
  65. Tisdale M. et al.:Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 90(12):5653-5656, 1993
  66. テノホビル アラフェナミドフマル酸塩の薬剤耐性に関する検討(社内資料 120-2011)
  67. エルビテグラビル,エムトリシタビン及びテノホビルの交差耐性に関する検討(社内資料 120-2020)
  68. エルビテグラビルの抗ウイルス作用に関する検討(社内資料 183-2025)
  69. Kobayashi M. et al.:Antimicrob. Agents Chemother. 55(2):813-821, 2011
  70. Schinazi R.F. et al.:Antimicrob. Agents Chemother. 37(4):875-881, 1993
  71. テノホビルの薬剤耐性に関する検討(社内資料 15883)
  72. Kagan R.M. et al.:Antiviral Res. 75(3):210-218, 2007
  73. テノホビル アラフェナミドの薬剤耐性に関する検討(社内資料 120-2014)

文献請求先

主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求下さい。

鳥居薬品株式会社 お客様相談室

〒103-8439 東京都中央区日本橋本町3-4-1

TEL 0120-316-834
FAX 03-3231-6890

日本たばこ産業株式会社 医薬事業部 医薬情報部

〒103-0023 東京都中央区日本橋本町3-4-1

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【製造販売業者等の氏名又は名称及び住所】

製造販売元

日本たばこ産業株式会社

東京都中央区日本橋本町3-4-1
https://www.jti.co.jp/

販売元

鳥居薬品株式会社

東京都中央区日本橋本町3-4-1
https://www.torii.co.jp/

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GILEAD

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