
| 商品名: | カレトラ配合内用液 |
|---|---|
| 一般名: | ロピナビル・リトナビル |
| 略称 : | LPV |
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抗ウイルス化学療法剤

(ロピナビル・リトナビル配合剤)
2010年7月改訂(第2版)
日本標準商品分類番号
87625
劇薬
指定医薬品
処方せん医薬品(注)
注) 注意-医師等の処方せんにより使用すること
貯法:気密容器,遮光・2~8℃(冷蔵庫)保存
使用期限:ラベル,ケースに記載
| 承認番号 | 22100AMX00434000 |
|---|---|
| 薬価収載 | 2009年9月 |
| 販売開始 | 2000年12月 |
| 国際誕生 | 2000年9月 |
®登録商標(アボット ラボラトリーズ所有)

| 販売名 | カレトラ配合内用液 |
|---|---|
| 成分・含量 | 1mL中 ロピナビル80mg・リトナビル20mg |
| 添加物 | エタノール,プロピレングリコール,サッカリンナトリウム水和物,ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40,ポビドン,グリセリン,トウモロコシシロップ,塩化ナトリウム,クエン酸ナトリウム水和物,アセスルファムカリウム,無水クエン酸,dl-メントール,ベンジルアルコール,バニリン,香料 |
| 色・剤形 | 淡黄色~だいだい色の澄明な液体 |
HIV感染症
通常,成人にはロピナビル・リトナビルとして1回400mg・100mg(5mL)を1日2回食後に経口投与する.
通常,小児には,体重7kg以上15kg未満で1kgあたり12mg・3mg,15kg以上40kg以下で1kgあたり10mg・2.5mgを1日2回食後に経口投与する.最大投与量は 400mg・100mg(5mL)1日2回投与とする.
本剤は肝チトクロームP450(CYP)のアイソザイムであるCYP3Aとの親和性が強い(in vitro).主にCYP3Aで代謝される薬剤を本剤と併用することにより,併用薬剤の代謝を競合的に阻害し,併用薬剤の血中濃度を上昇させることがある.一方でCYP3Aを誘導する薬剤を本剤と併用すると,本剤の血中濃度が低下することがある.また,CYP3Aを阻害する薬剤との併用で本剤の血中濃度が上昇することがある.
他の薬剤との相互作用は,可能なすべての組み合わせについて検討されているわけではないので,併用に際しては用量に留意して慎重に投与すること(「薬物動態」の項参照).
| 薬剤名等(一般名[代表的販売名]) | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| ピモジド[オーラップ] | 不整脈のような重篤な又は生命に危険を及ぼすような事象を起こすおそれがある. | 本剤のチトクロームP450に対する競合的阻害作用により,併用した場合これらの薬剤の血中濃度が大幅に上昇することが予測される. |
| エルゴタミン酒石酸塩[クリアミン] ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩[ジヒデルゴット等] エルゴメトリンマレイン酸塩[エルゴメトリン] メチルエルゴメトリンマレイン酸塩[メテルギン等] |
血管攣縮などの重篤な又は生命に危険を及ぼすような事象を起こすおそれがある. | |
| ミダゾラム[ドルミカム] トリアゾラム[ハルシオン] |
過度の鎮静や呼吸抑制を起こすおそれがある. | |
| バルデナフィル塩酸塩水和物[レビトラ] シルデナフィルクエン酸塩[レバチオ] タダラフィル[アドシルカ] |
低血圧などの重篤な又は生命に危険を及ぼすような事象を起こすおそれがある. | |
| ブロナンセリン[ロナセン] アゼルニジピン[カルブロック等] |
これら薬剤の血中濃度上昇により,重篤な又は生命に危険を及ぼすような事象を起こすおそれがある. | |
| ボリコナゾール[ブイフェンド] | リトナビルとの併用でボリコナゾールの血中濃度が低下したとの報告がある. | リトナビルのチトクロームP450の誘導作用によるものと考えられている. |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| シルデナフィルクエン酸塩[バイアグラ] タダラフィル[シアリス] |
これら薬剤の血中濃度が上昇し,低血圧,失神,視覚障害や勃起持続等のこれら薬剤の副作用が発現するおそれがある. | 本剤がCYP3Aによるこれら薬剤の代謝を競合的に阻害するため. |
| シンバスタチン アトルバスタチンカルシウム水和物 ロスバスタチンカルシウム† |
これら薬剤の血中濃度が上昇し,これら薬剤の副作用が発現しやすくなるおそれがある.特にシンバスタチンとの併用はなるべく避けること. | |
| イトラコナゾール ケトコナゾール※ |
これら薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある.高用量(200mg/日をこえる)投与は避けること. | |
| ジヒドロピリジン骨格を有するCa拮抗剤 (フェロジピン,ニフェジピン,ニカルジピン塩酸塩等) リファブチン サルメテロールキシナホ酸塩 ダサチニブ ニロチニブ ビンカアルカロイド系抗悪性腫瘍剤 (ビンブラスチン硫酸塩,ビンクリスチン硫酸塩等) |
これら薬剤の血中濃度が上昇し,これら薬剤の副作用が発現しやすくなるおそれがある. | |
| クラリスロマイシン | 腎機能障害のある患者ではクラリスロマイシンの血中濃度が上昇するおそれがある. | |
| シクロスポリン タクロリムス水和物 エベロリムス |
これら薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある.治療域のモニタリングを行うことが望ましい. | |
| トラゾドン塩酸塩 | トラゾドンの血中濃度が上昇し,副作用が発現しやすくなるおそれがある.トラゾドンの減量を考慮すること. | |
| フルチカゾン プロピオン酸エステル ブデソニド |
これら薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある.クッシング症候群,副腎皮質機能抑制等があらわれるおそれがある. | |
| フェンタニル フェンタニルクエン酸塩 |
フェンタニルの血中濃度が上昇し,副作用が発現しやすくなるおそれがある.副作用(呼吸抑制等)に対する十分なモニタリングを行うことが望ましい. | |
| アミオダロン塩酸塩 ベプリジル塩酸塩水和物 リドカイン塩酸塩 キニジン硫酸塩水和物 フレカイニド酢酸塩 プロパフェノン塩酸塩 |
これら薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある.血中濃度のモニタリングを行うことが望ましい. | 本剤が肝薬物代謝酵素によるこれら薬剤の代謝を競合的に阻害するためと考えられている. |
| ジゴキシン | ジゴキシンの血中濃度が上昇するおそれがある.血中濃度のモニタリングを行うことが望ましい. | リトナビルによる P糖蛋白質阻害作用によるものと考えられている. |
| セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort,セント・ジョーンズ・ワート)含有食品 | 本剤の代謝が促進され血中濃度が低下するおそれがあるので,本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること. | セイヨウオトギリソウにより誘導された肝薬物代謝酵素(チトクロームP450)が本剤の代謝を促進し,クリアランスを上昇させるためと考えられている. |
| リファンピシン | 本剤の血中濃度が低下し,治療効果を減弱させるおそれがある.併用はなるべく避けること. | これら薬剤がCYP3Aを誘導するため. |
| カルバマゼピン フェノバルビタール デキサメタゾン |
ロピナビルの血中濃度が低下するおそれがある. | |
| フェニトイン | ロピナビル及びフェニトインの血中濃度が低下するおそれがある. | 相互に肝薬物代謝酵素を誘導するためと考えられている. |
| ワルファリンカリウム | ワルファリンの血中濃度に影響を与えることがある.INRのモニタリングを行うことが望ましい. | 肝薬物代謝酵素の関与が考えられるが機序不明. |
| エチニルエストラジオール エストラジオール安息香酸エステル |
これら薬剤の血中濃度が低下するおそれがある.エストロゲンをベースとする避妊剤と併用する場合は,他の避妊法に変更するか避妊法を追加する必要がある. | 本剤がこれら薬剤の肝薬物代謝酵素を誘導するためと考えられている. |
| ジスルフィラム,シアナミド, メトロニダゾール等のジスルフィラム様作用を有する薬剤 |
ジスルフィラムあるいはシアナミド-アルコール反応を起こすおそれがある. | 本剤はエタノール42.4%を含有するため. |
†相互作用の機序不明
※経口剤は国内未発売
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| サニルブジン ラミブジン ジダノシン |
相互作用は認められていない. | |
| ジドブジン アバカビル硫酸塩 |
これら薬剤の血中濃度を低下させるおそれがある. 臨床的な影響は不明である. |
本剤がグルクロン酸抱合を誘導するためと考えられている. |
| テノホビル | テノホビルの血中濃度が上昇し,腎機能障害の副作用があらわれやすくなるおそれがある.機序不明 | |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| ネビラピン エファビレンツ | ロピナビルの血中濃度が低下するおそれがある. | これら薬剤がCYP3Aを誘導するため. |
| デラビルジン | ロピナビルの血中濃度が上昇するおそれがある. | デラビルジンがCYP3Aによるロピナビルの代謝を競合的に阻害するため. |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| インジナビル サキナビル |
これら薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある. | 本剤がCYP3Aにおけるこれら薬剤の代謝を競合的に阻害するため. |
| ネルフィナビル アンプレナビル |
これら薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある. ロピナビルの血中濃度が低下するおそれがある. |
本剤がCYP3Aにおけるこれら薬剤の代謝を競合的に阻害するため.ロピナビル血中濃度低下の機序は不明. |
| ホスアンプレナビル | アンプレナビルの血中濃度が低下するおそれがある. 併用に関する推奨用量は確立されていない. |
肝薬物代謝酵素の関与が考えられるが機序不明. |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| マラビロク | マラビロクの血中濃度が上昇するおそれがある. | 本剤がC YP3Aにおけるこれら薬剤の代謝を競合的に阻害するため. |
海外で行われた第Ⅰ/Ⅱ相及び第Ⅲ相臨床試験(総症例701例)において認められた主な副作用は下痢,嘔気,無力症等であった.多くは軽度~中等度であった.
次のような症状があらわれた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと.これら副作用との因果関係は確立されていない.
次の症状があらわれた場合には,症状に応じて適切な処置を行うこと.
| 2%以上 | 2%未満 | 頻度不明 | |
|---|---|---|---|
| 全身症状 | 無力症,頭痛 | 疼痛,背部痛,胸痛,胸骨下痛, 悪寒, 嚢胞,浮腫,末梢性浮腫,顔面浮腫, 発熱,インフルエンザ様症候群,倦怠感,ウイルス感染,細菌感染,アレルギー反応,肥大 | 体脂肪の再分布/蓄積(胸部,体幹部の脂肪増加,末梢部の脂肪減少,野牛肩) |
| 循環器 | 深在性血栓性静脈炎,高血圧,心悸亢進,血栓性静脈炎,血管炎,血管障害,心房細動,体位性低血圧,静脈瘤,心筋梗塞 | ||
| 消化器 | 下痢,嘔気,腹痛,嘔吐,アミラーゼ上昇,消化不良 | 鼓腸,食欲不振,胆嚢炎,便秘,口内乾燥,嚥下障害,腸炎,おくび,食道炎,大便失禁,胃炎,胃腸炎,出血性大腸炎,食欲亢進,唾液腺炎,口内炎,潰瘍性口内炎,異常便,腹部膨満感,小腸炎,歯周炎,胆管炎 | |
| 肝臓 | 肝機能検査異常,ビリルビン値上昇 | 黄疸,肝腫 | |
| 血液 | 血小板減少,白血球減少症 | 貧血,リンパ節症,好中球減少 | |
| 代謝・栄養 | 総コレステロール上昇,トリグリセライド上昇,ナトリウム低下,ナトリウム上昇 | リポジストロフィー,ビタミン欠乏,脱水,耐糖能低下,乳酸性アシドーシス,肥満,体重減少,血中尿酸上昇,無機リン低下 | |
| 内分泌系 | クッシング症候群,甲状腺機能低下,女性型乳房,乳房腫大 | ||
| 筋骨格 | 筋肉痛,関節痛,関節症,骨壊死 | ||
| 精神神経系 | 不眠,異夢,激越,健忘,不安,運動失調,錯乱,抑うつ,浮動性めまい,回転性めまい,ジスキネジア,感情不安定,脳症,緊張亢進,リビドー減退,神経過敏,ニューロパシー,感覚異常,末梢神経炎,傾眠,思考異常,振戦,無感情,脳梗塞,痙攣,顔面麻痺,片頭痛,錐体外路症状 | ||
| 皮膚 | 発疹,ざ瘡,脱毛,皮膚乾燥,剥脱性皮膚炎,せつ腫症,斑状丘疹性皮疹,爪疾患,そう痒,良性皮膚腫瘍,皮膚変色,発汗,湿疹,脂漏,皮膚潰瘍 | ||
| 呼吸器 | 呼吸困難,肺水腫,副鼻腔炎,咽頭炎,喘息,鼻炎,気管支炎 | ||
| 感覚器 | 視力異常,眼疾患,中耳炎,味覚倒錯,耳鳴 | ||
| 泌尿器 | 射精異常,男性性腺機能低下,腎結石,尿異常,腎炎 |
高齢者における薬物動態については十分な検討がなされていない.高齢者への投与に際しては生理機能の低下及び合併症,併用薬剤等に注意すること.
6ヵ月以下の乳児に対する安全性は確立していない.12歳以下のHIV感染症小児に対する使用経験は少ないが,有害事象の発生状況においては成人との差は認められていない.
本剤の過量投与では,急性アルコール中毒を起こす可能性がある.
本剤のヒトにおける急性過量投与の経験は少ない.過量投与時には副作用の発現に注意するとともに,患者のバイタルサインのモニタリングや臨床状態の観察などの一般的な支持療法を行う.必要に応じて催吐や胃洗浄を行い,未吸収の薬剤を除去する.活性炭を未吸収薬剤の除去に使用しても良い.本剤の蛋白結合率が高いため,透析による除去効果は低い.
本剤は,冷蔵庫内(2~8℃)で保存すること.なお,携帯の目的で一時的に冷蔵庫外に出す場合,25℃以上を避けること.
〈外国人による成績(参考)〉
男性健康被験者及びHIV陽性患者に対しリトナビルの併用の有無によりロピナビルの薬物動態を検討したところ,健康被験者ー患者間で差を認めなかった.ロピナビルは主にCYP3Aにより代謝される.リトナビルはCYP3Aにおけるロピナビルの代謝を競合的に阻害することでロピナビルの血中濃度を上昇させる.ロピナビル・リトナビル400mg・100mg BIDを投与したHIV陽性患者におけるロピナビルの定常期血中濃度は,リトナビル濃度の15~20倍であった(ロピナビルの各パラメータ:AUC=160μg・hr/mL,Cmax=9.58±4.41μg/mL,Cmin=3.83±3.44μg/mL,Tmax=3±2hr).リトナビルの血中濃度は,リトナビル600mg BIDを投与した場合の血中濃度の7%未満であった.ロピナビルのin vitroEC50は,リトナビルの約10分の1である.すなわち本剤の抗ウイルス活性は,ロピナビルによるものである.
HIV陽性成人患者21名に対し,ロピナビル・リトナビル400mg・100mgを1日2回,3~4週間にわたり投与した場合のロピナビルとリトナビルの定常状態血中濃度の平均値を下図に示す.
脂肪含量が中等度の食事(500~682 kcal,22.7~25.1%は脂肪由来)の後にロピナビル・リトナビル3カプセル(400mg・100mg)を単回投与した場合,ロピナビルのAUCが48%,Cmaxが23%上昇した(空腹時投与との比較).高脂肪食(872 kcal,55.8%が脂肪由来)の摂取後のカプセル剤投与ではAUCは97%,Cmaxは43%上昇した(空腹時投与との比較).本剤は食後投与すること.
定常期におけるロピナビルの血漿蛋白結合率は約98~99%(血漿遊離分画(Fu):約1~2%)である.ロピナビルは,α1-酸性糖蛋白質(AAG)とアルブミンに結合するが,親和性はAAGの方が高い1).ロピナビル・リトナビル400mg・100mgBIDの投与後に認められる濃度範囲では,定常期におけるロピナビルの血漿蛋白結合率は一定であり,健康被験者とHIV陽性患者との間に差は認められていない.
ヒト肝ミクロソームを用いたin vitro試験で,ロピナビルは主に酸化代謝を受けることが示された.ロピナビルはCYPのアイソザイムのうち,主としてCYP3Aにより代謝される.リトナビルはCYP3Aと強い親和性を示し,CYP3Aによるロピナビルの代謝を阻害するためロピナビルの血中濃度が上昇する.健康被験者に14C標識ロピナビルを用いたロピナビル・リトナビル400mg・100mgを単回投与した場合,血中放射活性の89%が未変化体に由来した.ロピナビルの酸化代謝物は,ヒトでは少なくとも13種類認められている.4-oxo体及び4-水酸化体のエピマー各2種が抗ウイルス活性をもつ代謝物であるが,その量は血中の総放射活性物量のごく一部である.リトナビルは代謝酵素を誘導して自らの代謝を誘導するため,ロピナビルの代謝も誘導すると考えられる.反復投与を開始するとロピナビルの血中濃度は徐々に低下し約10~16日後に安定する.
14C標識ロピナビル・リトナビルの400mg・100mgを単回投与した場合, 10.4±2.3%が尿中へ,82.6±2.5%が糞中へ排泄された.また,未変化体約2.2%が尿中へ,19.8%が糞中へ排泄された.反復投与した場合は,投与したロピナビルの3%未満が未変化体として尿中に排泄された.投与間隔を12時間とした場合のロピナビルの半減期(T1/2)は平均5~6時間,見かけの経口クリアランス(CL/F)は6.4±4.4L/hrであった.
HIVとHCVに感染している軽度~中等度の肝機能障害患者(n=12)と肝機能障害のないHIV感染症患者(n=12)に対する薬物動態臨床試験(ロピナビル・リトナビル 400mg・100mg BID)において,肝機能障害患者群では非肝機能障害患者群と比較して,ロピナビルのAUCが約30%,Cmaxが約20%上昇し,蛋白結合率は低下した(HIV・HCV感染患者:99.09%,HIV・非肝機能障害患者:99.31%).なお,重度の肝機能障害患者における臨床試験は行われていない.
本剤は,主としてCYP3Aにより代謝される.本剤に含まれるリトナビルはCYP3Aと特に強い親和性を示し,主にCYP3A(3A4,3A5,3A7)で代謝される薬剤の代謝を競合的に阻害する.
臨床用量で得られる濃度の範囲ではCYP2D6,CYP2C9,CYP2C19,CYP2E1,CYP2B6,CYP1A2を阻害しない.また,自らの代謝を誘導し,CYP及びグルクロン酸抱合で代謝される一部の併用薬剤の代謝も促進させることが明らかにされている(in vivo).
CYP3Aを誘導する薬剤は,ロピナビルのクリアランスを上昇させ, ロピナビルの血中濃度を低下させると考えられる.
本剤と併用する可能性の高い薬剤について,それら薬剤の薬物動態への影響を以下に示す.
| 併用薬 | 併用薬の用量(mg) | ロピナビル・ リトナビルの用量(mg) |
n | ロピナビル薬物動態の変化率 (併用薬併用/非併用時) |
||
|---|---|---|---|---|---|---|
| Cmax | AUC | Cmin | ||||
| アンプレナビル | 750BID,10日 | 400・100 BID,21日 | 12 | 0.72 | 0.62 | 0.43 |
| アトルバスタチン | 20QD,4日 | 400・100 BID,14日 | 12 | 0.90 | 0.90 | 0.92 |
| エファビレンツ1 | 600QHS,9日 | 400・100 BID,9日 | 11, 7* |
0.97 | 0.81 | 0.61 |
| ケトコナゾール | 200単回 | 400・100 BID,16日 | 12 | 0.89 | 0.87 | 0.75 |
| ネルフィナビル | 1000BID,10日 | 400・100 BID,21日 | 13 | 0.79 | 0.73 | 0.62 |
| ネビラピン | 200BID, 定常(1年以上)2 | 400・100 BID, 定常(1年以上) |
22, 19* |
0.81 | 0.73 | 0.49 |
| 7mg/kgもしくは 4mg/kg QD,2週;BID 1週3 |
300・ 75mg/m 2 BID,3週 |
12, 15* |
0.86 | 0.78 | 0.45 | |
| オメプラゾール | 40QD,5日 | 400・100 BID†,10日 | 12 | 1.08 | 1.07 | 1.03 |
| 800・200 QD†,10日 | 12 | 0.94 | 0.92 | 0.71 | ||
| ラニチジン | 150単回 | 400・100 BID†,10日 | 12 | 0.98 | 0.98 | 0.93 |
| 800・200 QD†,10日 | 11 | 0.98 | 0.96 | 0.85 | ||
| プラバスタチン | 20QD,4日 | 400・100 BID,14日 | 12 | 0.98 | 0.95 | 0.88 |
| リファブチン | 150QD,10日 | 400・100 BID,20日 | 14 | 1.08 | 1.17 | 1.20 |
| リファンピシン6 | 600QD,10日 | 400・100 BID,20日 | 22 | 0.45 | 0.25 | 0.01 |
| 600QD,14日 | 800・200 BID,9日4 | 10 | 1.02 | 0.84 | 0.43 | |
| 600QD,14日 | 400・400 BID,9日5 | 9 | 0.93 | 0.98 | 1.03 | |
| リトナビル2 | 100BID,3-4週 | 400・100 BID,3-4週 | 8, 21* |
1.28 | 1.46 | 2.16 |
特に断りのない限りすべて健康被験者による試験である
1.リトナビルの薬物動態はエファビレンツ併用の影響を受けない
2.HIV陽性成人患者の試験
3.HIV陽性患児(6ヵ月齢~12歳)の試験
4.漸増投与800・200 BID(533・133 BID×1日,667・167 BID×1日,800・200 BID×7日)と400・100 BID×10日との比較
5.漸増投与400・400 BID(400・200 BID×1日,400・300 BID×1日,400・400 BID×7日)と400・100 BID×10日との比較
6.標準用量の本剤との併用は推奨されない
* 平行法による検討(n:ロピナビル・リトナビル+併用薬投与例,ロピナビル・リトナビル単独投与例)
† 錠剤による試験
| 併用薬 | 併用薬の用量(mg) | ロピナビル・ リトナビルの用量 (mg) |
n | ロピナビル薬物動態の変化率 (併用薬併用/非併用時) |
||
|---|---|---|---|---|---|---|
| Cmax | AUC | Cmin | ||||
| アンプレナビル1 | 750BID,10日併用 対 1200BID,14日単独 |
400・100 BID,21日 | 11 | 1.12 | 1.72 | 4.57 |
| アトルバスタチン | 20QD,4日 | 400・100 BID,14日 | 12 | 4.67 | 5.88 | 2.28 |
| エファビレンツ | 600QHS,9日 | 400・100 BID,9日 | 11, 12* |
0.91 | 0.84 | 0.84 |
| エチニルエスト ラジオール |
35μgQD,21日 | 400・100 BID,14日 | 12 | 0.59 | 0.58 | 0.42 |
| インジナビル1 | 600BID,10日併用/食後 対 800TID,5日単独/空腹 |
400・100 BID,15日 | 13 | 0.71 | 0.91 | 3.47 |
| ケトコナゾール | 200単回 | 400・100 BID,16日 | 12 | 1.13 | 3.04 | NA |
| メタドン | 5単回 | 400・100 BID,10日 | 11 | 0.55 | 0.47 | NA |
| ネルフィナビル1 M8代謝物 |
1000BID,10日併用 対 1250BID,14日単独 |
400・100 BID,21日 | 13 | 0.93 2.36 |
1.07 3.46 |
1.86 7.49 |
| ネビラピン | 200QD,14日;200BID,6日 | 400・100 BID,20日 | 5, 6* |
1.05 | 1.08 | 1.15 |
| ノルエチンドロン | 1QD,21日 | 400・100 BID,14日 | 12 | 0.84 | 0.83 | 0.68 |
| プラバスタチン | 20QD,4日 | 400・100 BID,14日 | 12 | 1.26 | 1.33 | NA |
| リファブチン | 150QD,10日併用 対 300QD,10日単独 |
400・100 BID,10日 | 12 | 2.12 | 3.03 | 4.90 |
| 25-O脱アセチル リファブチン |
23.6 | 47.5 | 94.9 | |||
| リファブチン+ 25-O脱アセチル リファブチン2 |
3.46 | 5.73 | 9.53 | |||
| サキナビル1 | 800BID,10日併用 対 1200TID,5日単独 |
400・100 BID,15日 | 14 | 6.34 | 9.62 | 16.74 |
| 1200BID,5日併用 対 1200TID,5日単独 |
400・100 BID,20日 | 10 | 6.44 | 9.91 | 16.54 | |
特に断りのない限りすべて健康被験者による試験である
1.用量補正は行っていない
2.用量補正後の合計.
* 平行法による検討(n:ロピナビル・リトナビル+併用薬投与例,併用薬単独投与例)
NA:データなし
健康成人39例に本剤400mg・100mg BID及び800mg・200mg BID※を3日間(4回)投与したときのQTcF間隔変化の最大平均値(及び95%上限信頼限界値)はそれぞれ3.6(6.3)msec及び13.1(15.8)msecであった.QTcF間隔がベースラインから60msec以上変化したか500msecを超えた例はなかった.また,3日目において軽度のPR間隔延長が認められた.最大PR間隔は286msecであった.
※本剤の承認配合比と異なる.
抗HIV薬治療未経験の成人HIV感染症患者653例を対象として,ロピナビル・リトナビル(LPV/r)400mg・100mg BID,サニルブジン(d4T)及びラミブジン(3TC)の併用群,もしくはネルフィナビル(NFV)750mg TID,サニルブジン及びラミブジンの併用群に無作為に割り付け,多施設二重盲検試験を実施した.開始時の平均CD4リンパ球数は259cells/mm3(2~949cells/mm3)で,平均血中HIV RNA量は4.9 log10copies/mL(2.6~6.8 log10copies/mL)であった.
第48週の血中HIV RNA量が400 copies/mL未満であった患者の比率は,LPV/r群75%,NFV群62%であった.
血中HIV RNA量が50 copies/mL未満であった患者の比率はLPV/r群67%,NFV群52%であった.CD4リンパ球数は,開始時に比べ,LPV/r群で207cells/mm3,NFV群で195cells/mm3増加した.
48週までの治療反応の経過は次図の通り.

48週までの治療反応の内訳と中止理由は次の通り.
| 結果 | LPV/r +d4T+3TC n=326 |
NFV +d4T+3TC n=327 |
|---|---|---|
| レスポンダー1 | 75% | 62% |
| ウイルス学的失敗 (ウイルスリバウンド) (VL<400copies/mLに抑制不能) |
9% (7%) (2%) |
25% (15%) (9%) |
| 死亡 | 2% | 1% |
| 有害事象による中止 | 4% | 4% |
| その他の理由による中止2 | 10% | 8% |
HIV感染症患者100例を対象として,ロピナビル・リトナビル(LPV/r)の各用量群(第I群:200mg・100mgBID※及び400mg・100mg BID,第II群:400mg・100mg BID及び400mg・200mg BID※)に割り付け,ラミブジン(150mg BID)とサニルブジン(40mg BID)を併用する多施設二重盲検試験を実施した.48~72週が経過した時点で,患者はすべてLPV/r 400mg・100mg BIDのオープンラベル臨床試験に移行した.試験開始時の平均CD4リンパ球数は338cells/mm3(3~918cells/mm3),平均血中HIV RNA量は4.9log10copies/mL(3.3~6.3log10copies/mL)であった.
360週間後,血中HIV RNA量が400(50)copies/mL未満であった患者は,61%(59%)であり,CD4リンパ球数は501cells/mm3増加した.360週間の投与期間中,39例が脱落し,このうち15例(15%)は有害事象による中止,1例(1%)は死亡による中止であった.
HIVプロテアーゼ阻害薬を1剤使用した経験があるが非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬(NNRTI)治療未経験のHIV感染症患者70名を対象として,ロピナビル・リトナビル(LPV/r)の各用量群(400mg・100mg BID, 400mg・200mgBID※)に割り付け,ネビラピン(200mg BID)と2剤のヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬(NRTI)を併用する多施設二重盲検試験を実施した.試験開始時における平均CD4リンパ球数は372cells/mm3(72~807cells/mm3),平均血中HIV RNA量は4.0 log10copies/mL(2.9~5.8 log10copies/mL)であった.
144週後,血中HIV RNA量が400(50)copies/mL未満であった患者は,54%(50%)であり,CD4リンパ球数は両群平均で212cells/mm3増加した.144週間の投与期間中,27例(39%)が脱落し,このうち,9例(13%)は有害事象による中止,2例(3%)は死亡による中止例であった.
出生後6ヵ月以上12歳以下のHIV感染症小児100例,抗HIV化学療法未経験者44例,経験者56例,(共にNNRTIの使用経験なし)を,ロピナビル・リトナビル(LPV/r)230mg/m2・57.5mg/m2BID及び300mg/m2・75mg/m2BIDの2群にわけ,逆転写酵素阻害薬(未経験群はサニルブジンとラミブジンを併用し,経験群はネビラピンに加え2剤までのヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬)を併用投与した.試験開始時における平均CD4リンパ球数は838cells/mm3で平均血中HIV RNA量は4.7 log10copies/mLであった.
48週後,未経験群で80%,経験群で71%の患者で血中HIV RNA量が400 copies/mL未満に減少した.CD4リンパ球数は未経験群で平均して404 cells/mm3,経験群で284 cells/mm3増加した.48週の投与期間中2例が脱落した.この試験結果により,6ヵ月以上12歳以下の小児では,ネビラピンを併用しない場合はLPV/r 230 mg/m2・57.5 mg/m2BID,ネビラピンを併用する場合はLPV/r 300 mg/m2・57.5 mg/m2BIDが成人におけるLPV/r400・100mgBIDの投与(ネビラピンを併用しない場合)に相当するロピナビル血中濃度を得られると考えられた.
※本剤の承認配合比と異なる.
本剤はロピナビルとリトナビルの配合剤である.
ロピナビルはHIVプロテアーゼの活性を阻害し,HIVプロテアーゼによるgag-polポリ蛋白質の開裂を抑制することで,感染性を持つ成熟したHIVの産生を抑制する.
リトナビルは,CYP3Aによるロピナビルの代謝を競合的に阻害し,ロピナビルの血中濃度の上昇をもたらす.
本剤の抗ウイルス活性は,ロピナビルによるものである([薬物動態]の項参照).
本剤はHIVプロテアーゼに対する選択的親和性を有し,ヒトのアスパルティックプロテアーゼに対してはほとんど阻害作用を示さない.
HIV標準株による感染後早期のリンパ芽球細胞株及び臨床分離株に感染した末梢血リンパ球細胞におけるロピナビルの抗ウイルス作用を検討した.ヒト血清非存在下では,5種類のHIV-1 標準株に対するロピナビルの平均EC50は10-27nM(0.006-0.017μg/mL)であり7),6種類のHIV-1 臨床分離株に対するロピナビルの平均EC50は4-11nM(0.003-0.007μg/mL)であった.50%ヒト血清存在下ではHIV-1 標準株に対するロピナビルの平均EC50は65-289nM(0.04-0.18μg/mL)であり,7-11倍の効力低下がみられた.
ロピナビルに対する感受性が低下したHIV-1変異株を分離し,ロピナビル単独,あるいは臨床投与時の血中濃度でのロピナビルとリトナビルの存在下にHIV-1のin vitro継代培養を行った.継代培養で分離された株の表現型と遺伝子型を検討したところ,リトナビルの存在はロピナビル耐性株の出現に影響を及ぼさないことが示唆された(in vitro).
| PI耐性変異数1 (試験開始時) |
ウイルス学的反応(HIV RNA <400copies/mL)が認められた割合(48週時) | ||
|---|---|---|---|
| 試験888 (1種類のPI治療経験者2, NNRTI未経験者)n=130 |
試験765 (1種類のPI治療経験者3, NNRTI未経験者)n=56 |
試験957 (複数のPI治療経験者4, NNRTI未経験者)n=50 |
|
| 0~2 | 76/103(74%) | 34/45(76%) | 19/20(95%) |
| 3~5 | 13/26(50%) | 8/11(73%) | 18/26(69%) |
| 6以上 | 0/1(0%) | N/A | 1/4(25%) |


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