
| 商品名: | ビリアード錠300mg |
|---|---|
| 一般名: | フマル酸テノホビル ジソプロキシル |
| 略称 : | TDF |
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抗ウイルス化学療法剤
Viread Tab.300mg
(テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩錠)
2009年12月改訂(第6版 一般名変更に伴う改訂 他)
日本標準商品分類番号
87625
劇薬
処方せん医薬品注1)
貯法等:乾燥剤を同封した気密容器,室温保存
開栓後は湿気を避けて保存すること
使用期限:3年(外箱及びラベルに表示の使用期限を参照のこと)
注1)注意-医師等の処方せんにより使用すること
| 承認番号 | 21600AMY00073000 |
| 薬価収載 | 2004年4月 |
| 販売開始 | 2004年4月 |
| 国際誕生 | 2001年10月 |
B型慢性肝炎を合併している患者では,本剤の投与中止により,B型慢性肝炎が再燃するおそれがあるので,本剤の投与を中断する場合には十分注意すること。特に非代償性の場合,重症化するおそれがあるので注意すること。
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
| 有効成分(1錠中) | テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩300mg (テノホビル ジソプロキシルとして245mg) |
|---|---|
| 添加物 | クロスカルメロースNa,乳糖,ステアリン酸Mg,セルロース,部分アルファー化デンプン,青色2号,ヒプロメロース,酸化チタン,トリアセチン |
| 性状・剤形 | うすい青色のフィルムコーティング錠 |
| 外形 | ![]() ![]() ![]() |
| サイズ | 長径 約17.0mm,短径 約10.5mm,厚さ 約5.0mm |
| 識別コード | GILEAD4331-300 |
HIV-1感染症
通常,成人にはテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩として1回300mg(テノホビル ジソプロキシルとして245mg)を1日1回経口投与する。なお,投与に際しては必ず他の抗HIV薬と併用すること。
腎機能障害のある患者では本剤の血中濃度が上昇するので,腎機能の低下に応じて,次の投与方法を目安とする(外国人における薬物動態試験成績による)。
| クレアチニン クリアランス(CLcr) |
投与方法 |
| 50mL/min以上 | 本剤1錠を1日1回投与 |
| 30~49mL/min | 本剤1錠を2日間に1回投与 |
| 10~29mL/min | 本剤1錠を1週間に2回投与 |
| 血液透析患者 | 本剤1錠を1週間に1回投与注2)又は累積約12時間の透析終了後に本剤1錠を投与 |
注2)血液透析実施後
なお,CLcrが10mL/min未満で,透析を行っていない患者における薬物動態は検討されていない。
腎障害のある患者[中等度及び重篤な腎機能障害のある患者では,本剤の血中濃度が上昇する(「用法・用量に関連する使用上の注意」,「重要な基本的注意」及び「薬物動態」〈外国人における成績〉の「5.腎不全患者」の項参照)。]
(1)本剤の使用に際しては,患者又はそれに代わる適切な者に次の事項についてよく説明し同意を得た後,使用すること。
1)本剤はHIV感染症の根治療法薬ではないことから,日和見感染症を含むHIV感染症の進展に伴う疾病を発症し続ける可能性があるので,本剤投与開始後の身体状況の変化については全て担当医に報告すること。
2)本剤の長期投与による影響については現在のところ不明であること。
3)本剤による治療が,性的接触又は血液汚染等による他者へのHIV感染の危険性を低下させるかどうかは証明されていないこと。
(2)類薬(ヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬)の単独投与又はこれらの併用療法により,重篤な乳酸アシドーシス及び脂肪沈着による重度の肝腫大(脂肪肝)が,女性に多く報告されているので,乳酸アシドーシス又は肝細胞毒性が疑われる臨床症状又は検査値異常(アミノトランスフェラーゼの急激な上昇等)が認められた場合には,本剤の投与を一時中止すること。これら肝疾患を発現する危険因子を有する患者においては注意すること。
(3)本剤を含む抗HIV薬の多剤併用療法を行った患者で,免疫再構築症候群が報告されている。投与開始後,免疫機能が回復し,症候性のみならず無症候性日和見感染(マイコバクテリウムアビウムコンプレックス,サイトメガロウイルス,ニューモシスチス等によるもの)等に対する炎症反応が発現することがあるので,これらの炎症性の症状を評価し,必要時には適切な治療を考慮すること。
(4)腎障害の既往,合併又はリスクを有する患者に本剤を投与する場合には,血中クレアチニン,血中リン酸塩の変動を注意深く観察し,投与法を調節する等の適切な処置を行うこと。また,腎毒性を有する薬剤との併用は避けることが望ましい。
(5)本剤投与群では,144週間の投与により腰椎と大腿骨頚部の骨密度の減少が見られている。骨密度の減少した患者の大部分は,投与開始後24~48週目にかけて発現し,以降は144週目まで安定していた。臨床的意義は不明であるが,病的骨折の既往のある患者又はその他の慢性骨疾患を有する患者では,観察を十分に行い,異常が認められた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
(6)核酸系逆転写酵素阻害薬(NRTI)3成分のみを用いる一部の治療は,NRTI 2成分に非核酸系逆転写酵素阻害薬又はHIV-1プロテアーゼ阻害薬を併用する3成分併用療法と比べて,概して効果が低いことが報告されている。また,抗ウイルス薬の使用経験がない患者に対し,本剤とジダノシン,ラミブジン又は本剤とラミブジン,アバカビルの3剤併用1日1回投与により,初期のウイルス学的応答の欠如が高頻度に認められたとの報告があるので,抗ウイルス薬の使用経験がない患者及び既治療患者に対して本剤を使用する場合には,これらの組み合わせのみによる治療は避けること。
(7)抗HIV薬の使用により,体脂肪の再分布/蓄積があらわれることがあるので,異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| ジダノシン | ジダノシンによる有害事象を増強するおそれがあるので,ジダノシンの減量を考慮すること。 | ジダノシンのAUC及びCmaxが上昇する。 |
| アタザナビル硫酸塩 | アタザナビルの治療効果が減弱するおそれがあるので,本剤とアタザナビル硫酸塩を併用する場合には,本剤とアタザナビル300mgをリトナビル100mgとともに投与することが望ましい。また,本剤による有害事象を増強するおそれがある。 | アタザナビルのAUCが25%,Cmaxが21%,Cminが40%低下し,テノホビルのAUCが24%,Cmaxが14%,Cminが22%上昇する。 |
| ロピナビル/リトナビル | 本剤による有害事象を増強するおそれがある。 | テノホビルのAUCが32%,Cminが51%上昇する。 |
| アシクロビル, バラシクロビル,ガンシクロビル,バルガンシクロビル等 |
これらの薬剤又は本剤による有害事象を増強するおそれがある。 | 尿細管への能動輸送により排泄される薬剤と併用する場合,排泄経路の競合により,排泄が遅延し,これらの薬剤又は本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。 |
外国における抗レトロウイルス薬による治療経験患者及び未治療患者を対象とした3つの二重盲検比較試験の最大144週までの評価において,本剤投与群の912例中404例(44.3%)に副作用が認められた。主な副作用は悪心,下痢,無力症,頭痛,腹痛,嘔吐,錯感覚及び浮動性めまい等であり,胃腸障害が多かった。
臨床検査値異常では,CK(CPK)増加,血中トリグリセリド増加,血中アミラーゼ増加等が多かった。
腎機能不全,腎不全,急性腎不全,近位腎尿細管機能障害,ファンコニー症候群,急性腎尿細管壊死,腎性尿崩症又は腎炎等の重度の腎機能障害があらわれることがあるので,定期的に検査を行うなど観察を十分に行い,臨床検査値に異常が認められた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと。特に腎機能障害の既往がある患者や腎毒性のある薬剤が投与されている患者では注意すること。
膵炎があらわれることがあるので,血中アミラーゼ,リパーゼ,血中トリグリセリド等の検査値の上昇がみられた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
乳酸アシドーシスがあらわれることがあるので,このような場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
下記の副作用があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合は適切な処置を行うこと。
| 種類/頻度 | 2%以上 | 2%未満 | 頻度不明注3) |
|---|---|---|---|
| 胃腸障害 | 悪心(10.5%),下痢(9.1%),腹痛(5.2%),嘔吐(4.4%),鼓腸(3.0%),消化不良(2.3%) | 口内乾燥,胃腸障害,便秘,アフタ性口内炎,胃炎,おくび,腹部膨満 | |
| 全身障害及び投与局所様態 | 無力症(6.3%),疼痛(2.4%) | 倦怠感,胸痛,発熱,悪寒,末梢性浮腫 | |
| 神経系障害 | 頭痛(5.6%),錯感覚(3.7%),浮動性めまい(3.4%) | 不眠症,末梢性ニューロパチー,味覚異常,異常な夢,傾眠,ニューロパチー,思考異常,振戦 | |
| 精神障害 | うつ病,睡眠障害,リビドー減退,神経過敏,不安 | ||
| 皮膚及び皮下組織障害 | 発疹(3.3%) | そう痒症,多汗症,脱毛症,湿疹,ざ瘡,皮膚乾燥,単純ヘルペス,皮膚良性新生物 | |
| 代謝及び栄養障害 | 食欲不振(3.2%),体重減少(2.1%),後天性リポジストロフィー(2.1%) | 高コレステロール血症,高脂血症 | 低リン酸血症,低カリウム血症 |
| 肝胆道系障害 | 肝炎 | 脂肪肝,肝機能異常 | |
| 筋骨格系及び結合組織障害 | 骨障害(2.1%) | 筋痛,関節痛,背部痛,側腹部痛,筋痙攣 | 骨軟化症,ミオパチー |
| 呼吸器,胸郭及び縦隔障害 | 気管支炎,鼻炎,咽頭炎 | 呼吸困難 | |
| 臨床検査注4) | CK(CPK)増加(12.3%),血中トリグリセリド増加(7.8%),血中アミラーゼ増加(7.5%),AST(GOT)増加(5.1%),ALT(GPT)増加(4.3%),好中球数減少(2.4%),尿糖(2.1%),血中ブドウ糖増加(2.0%) | 血中ビリルビン増加,血中リン減少,Al-P増加,血小板数減少 | リパーゼ増加,血尿,蛋白尿,血中クレアチニン増加,γ-GTP増加 |
| その他 | 頻尿,視覚異常,多尿 | アレルギー反応 |
注3)市販後の調査,自発報告等にて報告された副作用
注4)臨床検査についてはグレード3及び4(NIAID分類)の臨床検査値異常
本剤の高齢者における薬物動態は検討されていない。本剤の投与に際しては,患者の肝,腎及び心機能の低下,合併症,併用薬等を十分考慮すること。
低出生体重児,新生児,乳児,幼児又は小児に対する安全性は確立していない(国内での使用経験がない)。
本剤を過量投与した症例は報告されておらず,過量投与時に特有の徴候や症状は不明である。過量投与時には,本剤の副作用(「副作用」の項参照)について十分に観察を行い,必要に応じ一般的な対症療法を行うこと。本剤は血液透析により一部除去される(「薬物動態」〈外国人における成績〉の「5.腎不全患者」の項参照)。
マウスを用いたがん原性試験(2年間)において,臨床用量におけるヒトの全身曝露量の16倍で雌に肝細胞腺腫が高頻度に発現したとの報告がある。
日本人健康成人男性に本剤300mgを空腹時に経口投与した場合,本剤の活性成分であるテノホビルの血清中濃度は1.2±0.5時間後に最高値に達し,Cmax及びAUCはそれぞれ212±43ng/mL及び2,197±516ng・hr/mLであった。
テノホビルの消失は二相性を示し,最終相の半減期は15.1±2.3時間であった。また,投与後48時間までのテノホビルの尿中排泄率は24±4%であり,CLrenalは287±64mL/minであった。
健康成人に本剤300mgを空腹時単回経口投与した場合,テノホビルの血清中濃度は1.0±0.4時間後に最高値に達し,Cmax及びAUCは,それぞれ296±90ng/mL及び2,287±685ng・hr/mLであった。
テノホビルの薬物動態は,本剤の投与量が75~600mgの範囲において用量に比例し,また,反復投与による影響を受けなかった。
本剤を軽食とともに服用した場合の薬物動態は,空腹時投与に比較し有意な変動はなかったが,高脂肪食(約700~1,000kcal,40~50%が脂肪由来)摂取後に本剤を服用した場合には,テノホビルのAUC及びCmaxは,それぞれ約40%及び約14%上昇した。本剤300mgを1日1回食後反復投与した場合の,テノホビルのCmax及びAUCは,それぞれ326±119ng/mL及び3,324±1,370ng・hr/mLであった。
テノホビル1.0mg/kg及び3.0mg/kgを静脈内投与後の定常状態での分布容積は,それぞれ1.3±0.6L/kg及び1.2±0.4L/kgであった。テノホビルのヒト血漿及び血清蛋白結合率(in vitro)は,0.01~25μg/mLのテノホビル濃度範囲においてそれぞれ0.7%未満及び7.2%未満であった。
注5)本剤の承認された1日用量は経口投与300mgである。
本薬は活性成分をテノホビルとするジエステル化プロドラッグであり,経口投与後,速やかにテノホビルに代謝され,その後細胞内でテノホビル二リン酸に代謝される。また,in vitro試験から,テノホビル ジソプロキシル及びテノホビルはいずれもチトクロームP450の基質ではないことが示されている。
本剤300mg単回投与時のテノホビルのβ相半減期は約17時間であった。また,本剤300mgを1日1回食後反復経口投与した際,投与量の32±10%(テノホビル換算)が24時間以内に尿中に回収された。また,テノホビルを静脈内投与した場合は,投与量の70~80%が72時間までに,テノホビルとして尿中に回収された。テノホビルは,糸球体濾過と尿細管への能動輸送により腎排泄される。
腎障害を有する患者を対象に,本剤300mgを単回投与した場合,クレアチニンクリアランス(CLcr)が50mL/min未満の患者あるいは透析を必要とする末期腎不全患者において,テノホビルのCmax及びAUCが上昇した(表1)。
| CLcr(mL/min) | 例数 | Cmax(ng/mL) | AUC(ng・hr/mL) | CL/F(mL/min) | CLrenal(mL/min) |
|---|---|---|---|---|---|
| >80 | 3 | 335.5±31.8 | 2,184.5±257.4 | 1,043.7±115.4 | 243.5±33.3 |
| 50-80 | 10 | 330.4±61.0 | 3,063.8±927.0 | 807.7±279.2 | 168.6±27.5 |
| 30-49 | 8 | 372.1±156.1 | 6,008.5±2,504.7 | 444.4±209.8 | 100.6±27.5 |
| <30(12~28)注6) | 11 | 601.6±185.3 | 15,984.7±7,223.0 | 177.0±97.1 | 43.0±31.2 |
平均値±標準偏差
注6)CLcrが10mL/min未満で,透析を行っていない患者における薬物動態は検討されていない。
なお,血液透析による除去率は54%で,本剤300mg単回投与時には4時間の血液透析により投与量の約10%が除去された。
In vivoにおいて認められる濃度よりもはるかに高濃度(約300倍)において,テノホビルはヒトチトクロームP450分子種(CYP3A4,CYP2D6,CYP2C9又はCYP2E1)を阻害しなかったが,CYP1Aをわずかに(6%)阻害した。
テノホビルは,糸球体濾過と尿細管への能動輸送により腎排泄される。尿細管への能動輸送により排泄される薬剤と本剤を併用した場合,この排泄経路における競合によりテノホビル又は併用薬の血中濃度が上昇する可能性がある。
本剤と主な薬剤との併用による,薬物動態への影響を下表に示す(表2及び表3)。
また,表4に本剤とジダノシンとの相互作用を示す。
| 併用薬 | 併用薬の用量 | 例数 | テノホビルの薬物動態パラメータの変化率(%)(90%信頼区間) | ||
|---|---|---|---|---|---|
| Cmax | AUC | Cmin | |||
| アバカビル | 300mg 1回 | 8 | ⇔ | ⇔ | ― |
| ラミブジン | 150mg 1日2回, 7日間 | 15 | ⇔ | ⇔ | ⇔ |
| ジダノシン(腸溶剤) | 400mg 1回 | 25 | ⇔ | ⇔ | ⇔ |
| ジダノシン(制酸剤含有) | 250あるいは400mg注7) 1日1回,7日間 | 14 | ⇔ | ⇔ | ⇔ |
| インジナビル | 800mg 1日3回, 7日間 | 13 | ↑14 (↓3~↑33) | ⇔ | ⇔ |
| ロピナビル / リトナビル | ロピナビル / リトナビル:400/100mg 1日2回, 14日間 | 24 | ⇔ | ↑32 (↑25~↑38) | ↑51 (↑37~↑66) |
| エファビレンツ | 600mg 1日1回, 14日間 | 29 | ⇔ | ⇔ | ⇔ |
| アタザナビル硫酸塩 | 400mg 1日1回, 14日間 | 33 | ↑14 (↑8~↑20) | ↑24 (↑21~↑28) | ↑22 (↑15~↑30) |
| アデホビルピボキシル | 10mg 1回 | 22 | ⇔ | ⇔ | ― |
| エムトリシタビン | 200mg 1日1回, 7日間 | 17 | ⇔ | ⇔ | ⇔ |
| ネルフィナビル | 1,250mg1日2回,14日間 | 29 | ⇔ | ⇔ | ⇔ |
| サキナビル / リトナビル | 1,000/100mg1日2回,14日間 | 35 | ⇔ | ⇔ | ↑23(↑16~↑30) |
上昇:↑,低下:↓,不変:⇔,未算出:―
注7)体重60kg未満:250mg,60kg以上:400mg
| 併用薬 | 併用薬の用量 | 例数 | 併用薬の薬物動態パラメータの変化率(%)(90%信頼区間) | ||
|---|---|---|---|---|---|
| Cmax | AUC | Cmin | |||
| アバカビル | 300mg 1回 | 8 | ↑12 (↓1~↑26) | ⇔ | - |
| ラミブジン | 150mg 1日2回, 7日間 | 15 | ↓24 (↓34~↓12) | ⇔ | ⇔ |
| 経口避妊薬 | エチニルエストラジオール / ノルゲスチメート 1日1回, 7日間 | 20 | ⇔ | ⇔ | ⇔ |
| インジナビル | 800mg 1日3回, 7日間 | 12 | ↓11 (↓30~↑12) | ⇔ | ⇔ |
| ロピナビル | ロピナビル/リトナビル: 400/100mg 1日2回, 14日間 |
24 | ⇔ | ⇔ | ⇔ |
| リトナビル | ⇔ | ⇔ | ⇔ | ||
| エファビレンツ | 600mg 1日1回, 14日間 | 30 | ⇔ | ⇔ | ⇔ |
| アタザナビル硫酸塩 | 400mg 1日1回, 14日間 | 34 | ↓21 (↓27~↓14) | ↓25 (↓30~↓19) | ↓40 (↓48~↓32) |
| アタザナビル硫酸塩 | アタザナビル / リトナビル: 300/100mg 1日1回, 42日間 |
10 | ↓28 (↓50~↑5) | ↓25注8) (↓42~↓3) | ↓23注8) (↓46~↑10) |
| リバビリン | 600mg 1回 | 22 | ⇔ | ⇔ | - |
| アデホビルピボキシル | 10mg 1回 | 22 | ⇔ | ⇔ | - |
| エムトリシタビン | 200mg 1日1回, 7日間 | 17 | ⇔ | ⇔ | ↑20 (↑12~↑29) |
| ネルフィナビル | 1,250mg 1日2回, 14日間 | 29 | ⇔ | ⇔ | ⇔ |
| M8代謝物 | ⇔ | ⇔ | ⇔ | ||
| サキナビル | サキナビル / リトナビル: 1,000/100mg 1日2回, 14日間 |
32 | ↑22 (↑6~↑41) | ↑29 (↑12~↑48) | ↑47 (↑23~↑76) |
| リトナビル | ⇔ | ⇔ | ↑23 (↑3~↑46) | ||
上昇:↑,低下:↓,不変:⇔,算出不能:-
注8)HIV感染患者において,本剤にアタザナビル300mg及びリトナビル100mgを併用した場合,アタザナビルのAUC及びCminは,アタザナビル400mgを単独投与した場合と比較してそれぞれ2.3倍及び4倍上昇した。
| ジダノシンの用量/投与方法注9) | 本剤の投与方法注9) | 例数 | ジダノシン空腹時400mg投与時に対する 薬物動態パラメータの変化率(%) (90%信頼区間) |
||
|---|---|---|---|---|---|
| Cmax | AUC | ||||
| 制酸剤含有製剤 400mg注10)1日1回 7日間 | 空腹時 ジダノシン投与後1時間 | 14 | ↑28(↑11~↑48) | ↑44(↑31~↑59) | |
| 腸溶剤 | 空腹時 400mg,1回 | 食後 ジダノシン投与後2時間 | 26 | ↑48(↑25~↑76) | ↑48(↑31~↑67) |
| 食後 400mg,1回 | ジダノシンと同時投与 | 26 | ↑64(↑41~↑89) | ↑60(↑44~↑79) | |
| 空腹時 250mg,1回 | 食後 ジダノシン投与後2時間 | 28 | ↓11(↓22~↑3) | ⇔ | |
| 空腹時 250mg,1回 | ジダノシンと同時投与 | 28 | ⇔ | ↑14(0~↑31) | |
| 食後 250mg,1回 | ジダノシンと同時投与 | 28 | ↓29(↓39~↓18) | ↓11(↓23~↑2) | |
上昇:↑,低下:↓,不変:⇔
注9)食後投与の食事は軽食(約373kcal 20%が脂肪由来)
注10)体重60kg以下の症例4例含む(ジダノシンは250mg投与)
抗レトロウイルス薬による治療を経験した患者550例を対象とし,継続中の抗レトロウイルス薬による治療に本剤(300mg1日1回投与)又はプラセボを併用した多施設二重盲検試験を実施した。患者の試験開始時の平均CD4リンパ球数は427cells/mm3,血漿中HIV-1 RNA量の中央値は2,340copies/mLであり,HIV-1感染症に対する前治療歴は平均5.4年であった。また,患者の平均年齢は42歳,85%が男性であり,69%が白人であった。
試験開始後48週までの血漿中HIV-1 RNA量の経時的変化(log10copies/mL)を図1に示す。なお,本試験では試験開始後24週目よりプラセボ投与群は,全て本剤投与へと変更された。

図1 試験開始後48週までのHIV-1 RNA量の経時的変化(907試験)
試験開始後24週及び48週の血漿中HIV-1 RNA量が<400copies/mLであった患者の比率は,本剤投与群で各々40%及び28%であり,プラセボ投与群では24週後で11%であった。さらに試験開始後24週の血漿中HIV-1 RNA量が<50 copies/mLであった患者の比率は,本剤投与群で19%,プラセボ投与群で1%であった。
また,試験開始後24週のCD4リンパ球数の平均変化量は,本剤投与群及びプラセボ投与群で各々+11cells/mm3及び-5cells/mm3であり,本剤投与群の試験開始後48週の変化量は+4cells/mm3であった。
抗レトロウイルス薬による治療を未経験の患者600例を対象とし,ラミブジン及びエファビレンツに本剤(300mg1日1回投与)又はサニルブジンを併用した多施設二重盲検試験を実施した。患者の試験開始時の平均CD4リンパ球数は279cells/mm3,血漿中HIV-1 RNA量の中央値は77,600copies/mL,血漿中HIV-1 RNA量が>100,000copies/mLの患者は43%,CD4リンパ球数が<200cells/mm3の患者は39%であった。患者の平均年齢は36歳,74%が男性であり,64%が白人であった。
試験開始後48週及び144週の結果を表5に示す。
| 結果 | 48週評価 | 144週評価 | ||
|---|---|---|---|---|
| 本剤投与群 (N=299) |
サニルブジン投与群 (N=301) |
本剤投与群 (N=299) |
サニルブジン投与群 (N=301) |
|
| 有効例注11) | 79% | 82% | 68% | 62% |
| 無効例注12) | 6% | 4% | 10% | 8% |
| 再上昇例 | 5% | 3% | 8% | 7% |
| 無反応例 | 0% | 1% | 0% | 0% |
| 他剤追加例 | 1% | 1% | 2% | 1% |
| 死亡例 | <1% | 1% | <1% | 2% |
| 有害事象による中止例 | 6% | 6% | 8% | 13% |
| その他の理由による中止例注13) | 8% | 7% | 14% | 15% |
注11)血漿中HIV-1 RNA量が<400copies/mLに至り試験開始後48週及び144週まで維持していた症例
注12)血漿中HIV-1 RNA量が<400copies/mLに至らなかった症例及び至った後に再上昇した症例
注13)患者追跡不能例,患者申出による脱落例,服薬不良例,プロトコール不遵守例など
本試験における試験開始後144週のHIV-1 RNA量が<50copies/mLであった患者の比率は本剤投与群で62%,サニルブジン投与群で58%であった。
また,CD4リンパ球数の平均増加量は,本剤投与群で263cells/mm3,サニルブジン投与群で283cells/mm3であった。
治療経験を有する患者を対象として,本剤投与前におけるウイルス遺伝子型が本剤のウイルス学的効果に及ぼす影響を検討した(N=222)。本剤投与開始前の患者から分離したHIV-1株の94%に1ヵ所以上のNRTI変異が検出され,また,評価した患者の大部分において,プロテアーゼ阻害薬又は非核酸系逆転写酵素阻害薬に関連した変異が認められた。特定の変異あるいは変異数とHIV-1 RNA量の変化との関係を表6に示した。
| 試験開始前のジドブジン関連変異数注14) | HIV-1 RNA量の変化注15)(例数) | |
|---|---|---|
| 本剤300mg | プラセボ | |
| なし | -0.80(68) | -0.11(29) |
| あり | -0.50(154) | 0(81) |
| 1-2 | -0.66(55) | -0.04(33) |
| M41LあるいはL210Wを含む3個以上の変異 | -0.21(57) | +0.01(29) |
| M41LあるいはL210W以外の3個以上の変異 | -0.67(42) | +0.07(19) |
注14)逆転写酵素のM41L,D67N,K70R,L210W,T215Y/F又はK219Q/E/N変異
注15)試験開始時から24週までのHIV-1 RNA量時間加重平均の変化をlog10copies/mLで示した。
本剤投与により,M41L又はL210Wを含む3個以上のジドブジン関連変異を伴う場合にウイルス学的効果は低下したが,プラセボと比較した場合には効果が認められた。
一方,M184V(ラミブジン/エムトリシタビン/アバカビル関連変異)の変異は本剤のウイルス学的効果に影響を与えず,M184V変異があってもジドブジン関連変異が無ければ,プラセボ群と比較し0.84log10copies/mL減少した。また,K65Rの変異により本剤のウイルス学的効果が減少する傾向が認められた。
治療経験を有する患者を対象に,本剤投与前におけるウイルス表現型が本剤投与のウイルス学的効果に及ぼす影響を検討した(N=100)。本剤投与開始前の患者から分離したHIV-1株の本剤に対する感受性と本剤のウイルス学的効果とには相関が見られ,その関係を表7に示した。
| 試験開始前の本剤感受性注16) | HIV-1 RNA量の変化注17)(例数) |
|---|---|
| ≦1 | -0.74(35) |
| 1<~≦3 | -0.56(49) |
| 3<~≦4 | -0.3(7) |
| ≦4 | -0.61(91) |
| >4 | -0.12(9) |
注16)野生型からの感受性変化(倍数)
注17)試験開始時から24週までのHIV-1 RNA量時間加重平均の変化をlog10copies/mLで示した。
903試験におけるウイルス学的失敗例から分離したHIV-1株では,エファビレンツ関連変異及びラミブジン関連変異が最も高頻度に認められ,本剤投与群とサニルブジン投与群との間に差は認められなかった。K65R変異は試験開始後144週までに本剤投与群の8例及びサニルブジン投与群の2例から分離したHIV-1株に認められたが,本剤投与群の8例のうち,7例では48週までに,1例では96週までに発現した。K65R以外にテノホビル耐性に関連する変異は認められなかった。
テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩は,アデノシン一リン酸の非環状ヌクレオシド・ホスホン酸ジエステル誘導体である。テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩からテノホビルへの変換には,ジエステルの加水分解が必要であり,その後細胞内酵素によりリン酸化を受け,テノホビル二リン酸となる。テノホビル二リン酸は,HIV-1逆転写酵素の基質であるデオキシアデノシン5’‐三リン酸と競合すること及びDNAに取り込まれた後にDNA鎖伸長を停止させることにより,HIV-1逆転写酵素の活性を阻害する。哺乳類のDNAポリメラーゼα,β及びミトコンドリアDNAポリメラーゼγに対するテノホビル二リン酸の阻害作用は弱い。
HIV-1の実験室株及び臨床分離株に対するテノホビルの抗ウイルス活性を,ヒトリンパ芽球様細胞株,単球/マクロファージ初代培養細胞及び末梢血リンパ球において評価した。テノホビルのIC50値は,0.04μM~8.5μMの範囲であった。
テノホビルに対する感受性が低下したHIV-1分離株をin vitro試験により選択した結果,これらのウイルスは逆転写酵素遺伝子にK65R変異が発現しており,テノホビルに対する感受性が3~4倍低下していた。
本剤を他の抗レトロウイルス薬と併用した患者から,テノホビルに対して感受性が低下したHIV-1株が分離された。抗レトロウイルス薬による治療を未経験の患者に対する本剤+ラミブジン+エファビレンツの3剤併用療法では,試験開始後144週までのウイルス学的失敗例47例のうち,8例からテノホビル耐性株が確認された。また,治療を経験した患者では,本剤による試験開始後96週までのウイルス学的失敗例304例のうち14例からテノホビル耐性株が認められた。分離された耐性株を遺伝子型解析したところ,HIV-1逆転写酵素遺伝子にK65R変異が発現していた。
テノホビルで選択されるK65R変異は,アバカビル,ジダノシン及びザルシタビンにより治療された症例から分離したHIV-1株でも認められている。この変異株はエムトリシタビンやラミブジンに対する感受性も低下していたことから,K65R変異を持つウイルスを有する患者では,これらの薬剤間で交差耐性を起こす可能性がある。
ジドブジン関連変異(M41L,D67N,K70R,L210W,T215Y/F又はK219Q/E/N)を有するHIV-1分離株に対するテノホビルの活性をin vitroで評価した。20例から分離した複数(平均3ヵ所)のジドブジン関連変異を有するHIV-1臨床分離株において,テノホビルに対する感受性は3.1倍低下していた。また,T69S変異の後に二アミノ酸が挿入される変異を持つ多剤耐性株においても,テノホビルに対する感受性は低下していた。

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