HIV/AIDS Red Ribbon

HIV陽性者の歯科診療の課題と対策

この研究班について

本研究班のミッション

「HIV陽性者の歯科診療の課題と対策」研究班ウェブサイトにようこそ。
本研究班は、「HIV感染症及びその合併症の課題を克服する研究」(研究代表者:大阪医療センター・白阪琢磨先生)のもとに設置された分担研究です。
HIVをもつ人が安心して地域の歯科診療所へかかれるシステム作りのほか、歯科医療者(歯科医師、歯科衛生士等)へのさまざまな情報提供、そしてHIV陽性のご本人やそれを支える人びとへの情報提供を行なっています。

現在、国のエイズ動向委員会の新たなHIV感染者やエイズ発症者の報告数は、つねに前回発表を更新するかたちで伸びを見せ、国内の累計報告数は1万6千人あまりを数えます。検査を受ける機会がなく、感染していながらそのことに気づいていない人はその5?6倍いるともいわれ、国内のHIV陽性者は10万人近いと考えられています。
そうした状況のなか、古くてなお新しい問題として、HIV陽性者の歯科受診の問題があります。とくにHIV感染症が薬剤や治療法の進歩のおかげで「死の病」を脱し、「慢性病」化・長期療養化するなか、HIVをもちながら口腔衛生維持のために歯科診療所へ通いつづけられることが、ますます重要な課題となってきました。

これまでその課題を担ってきたのは、主としてエイズ拠点病院の歯科のお医者さんたちでした。しかし、実際には拠点病院の40%が歯科を欠いていたり、多くは口腔外科でかならずしも虫歯の治療や口腔衛生維持に適した診療科ではありません。また、エイズ拠点病院が遠隔地にあったり、大病院のため受診までに時間がかかるなど、利用者の利便性はけっして高くありません。そもそも日本の歯科医師の8割が開業医で、病院勤務医が2割の現状のなかで、陽性者の歯科医療を病院勤務医でまかなうことには、無理があります。
しかし、現在もHIV感染症への無理解や偏見により、地域の歯科診療所でのHIV陽性者の受け入れが進まない現状があります。HIV陽性者のなかには、これまでかかっていた診療所で断られたり、受診中断や、場合によっては「無申告受診」を余儀なくされている場合もあります。

本研究班は、課題を「HIV陽性者を受け入れる歯科診療所の不足」ととらえ、地道な講習会や情報提供により、HIV陽性者を受け入れる診療所を少数からでも開拓し、それを地域でHIV陽性者の支援にあたるNGO団体などにつなぎ、受診を希望するHIV陽性者に紹介するシステムをつくることを目指しています。
研究班の第1年度(平成21年度)には、全国でHIV陽性者のサポートにあたるNGOにアンケート調査を行ない、歯科受診とHIV陽性者にかかわる声を聞き取りました。
第2年度(平成22年度)には、HIV陽性者の報告数が首都圏についで多い近畿地区(大阪)と東海地区(名古屋)で、歯科医医療者向けの講習会を開催し、協力歯科診療所を開拓するとともに、地元で活動するNGOをはじめ、地元歯科医師会、拠点病院、行政関係者のかたがたとの連携を深めています。

現在、本研究班では「歯科診療所の開拓」の中身を発展させて、つぎのようにミッション(使命)をとらえています。

  1. 歯科診療所へのスタンダードプリコーションの普及と、HIV感染症・HIV陽性者への理解促進
  2. HIV陽性者ご本人やHIV陽性者へかかわる人びと(支援団体や相談機関、拠点病院の医療者など)へ、HIVと歯科・口腔衛生についての情報提供
  3. 地域で活動するNGO(HIV陽性者支援団体)を紹介元とする、HIV陽性者が安心してかかれる歯科の紹介システムづくり
  4. 歯科医療者を対象とする「HIV陽性者歯科診療ネットワーク」(登録制)の運営
  5. 紹介システムづくりの前提として、地域歯科医師会、エイズ診療拠点病院、地元行政との連携づくり

こうした活動へは、私たちに先行して同領域で取り組みをされてきた同じく厚労科研研究班「医療整備班」とも連携をとりつつ進めていきたいと考えています。
また、このウェブサイトを活用して、現在取り組んでいる大阪・愛知地区以外の地区でも、同様の関心のあるかたがたとのネットワークを広げていきたいと願っています。

この活動を通じて、HIV陽性者が安心して受診できる歯科診療所が全国に広がり、またHIV感染症と口腔衛生の関係について多くの人が理解・関心をおもちくださるとともに、長期療養化したHIV感染症にとって、歯科が病院と診療所の有機的な連携(「病・診」連携)のモデルケースとなれることを願っています。
さらにHIV感染症だけでなく、既知・未知の感染症への対応を歯科がとっていくためのリスクマネジメントを考える場ともなれれば、歯科医療にかかわる者の一人としても、これにすぎる喜びはありません。

「HIV陽性者の歯科診療の課題と対策」研究班
研究分担者、中田歯科クリニック院長 中田たか志

研究分担者プロフィール

中田たか志

  • 昭和大学歯学部卒業(専攻:歯科口腔外科
  • 東京都エイズ協力歯科診療所運営協議会委員
  • 厚生労働科研エイズ対策事業「HIVとその合併症の課題を克服する研究」(研究代表者白阪琢磨・国立病院機構大阪医療センター)の分担研究である「HIV陽性者歯科診療の課題と対策」研究分担者
  • 日本エイズ学会 会員
  • 日本スポーツ歯科学会 会員
  • 日本顎関節学会 会員
  • 日本障害者歯科学会 会員
  • 日本スノーボード協会 公認インストラクター 公認検定員
  • 日本舞踊 春謡流 師範

事務局

事務局 中田歯科クリニック内
〒151-0071 東京都渋谷区本町1-4-15 フラットAKH202
電話 03-5352-8211

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