HIV/AIDS Red Ribbon

HIV陽性者の歯科診療の課題と対策

HIVと口腔衛生

HIVと歯周病には深い関係があります

HIV陽性者の健康維持に、お口の健康がますます大事

歯周病が原因で口内に作り出される酪酸(らくさん)が、HIVを活性化させ、エイズ発症につながる可能性のあることを、日本大学歯学部の落合邦康教授らが明らかにしました。
これまでの研究では、歯周病が糖尿病や心臓疾患に関係することがわかっていましたが、HIVを活性させることが判明したのは世界で初めてだということです。

これまでも、「HIV感染症が進行して、免疫力が低下する → 歯周病が悪化する」ということがわかっていました。
しかし、今度は逆に、「歯周病が悪化する → HIV感染症が進行する」ということもわかってきたのです。

落合教授によると、「歯周病菌は歯と身体全体に危険を及ぼす。歯周病菌によって作り出される大量の酪酸は、HIVの増殖を抑えている「ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)」と呼ばれる酵素の一種を妨げる」ということです。試験管での実験では、歯周病菌および酪酸を含んだ培養液を与えると、免疫系に関わる2種類の細胞でHIVが急速に増殖することが判明したといいます。

落合教授は、「個人の体力によるところが大きいが、HIV感染者は重症の歯周病になると(エイズを)発症する可能性がある」と指摘。HIVを増殖させてしまう歯周病菌や酪酸を少しでも押さえられるよう、お口の健康維持に気を配りましょう!
そのためにも、日頃からかかりつけの歯医者さんをもつことが大切です。

*健康(免疫)維持のために口腔衛生に気を配ることは、HIV感染の有無にかかわらず、どなたにも大切なことです。

ますます重要な「病診連携」

本病をもちながら他科受診も!

薬剤や治療法の進歩で、いまや“慢性病”化したと言われるHIV感染症。長期療養のなかで、本病(HIV感染症)をもちながら、同時に他の診療科に通う場面が、いよいよ深刻な問題になってきました。
たとえば----

透析
一部の抗HIV薬剤の副作用で、腎臓を悪くして透析になる場合があります
精神科
長期療養のなかでのメンタルヘルスの維持
耳鼻咽喉科や眼科
花粉症での抗アレルギー薬の処方と抗HIV薬剤との飲み合わせ
心臓
一部の抗HIV薬剤の副作用で、コレステロールが上昇する場合があります
歯科
虫歯治療のほか、歯周病など口腔衛生の維持が必須

これはほんの一例です!
ほかにも、「長期療養=年齢上昇」のなかで、さまざまな生活習慣病(成人病)との併発が起こります。
こうした病気には、大病院ではなく、身近な町のクリニック(診療所)で治療にあたることが、本人の利便性からも肝心です。しかし、そのときHIV陽性者は、安心して町のクリニックに通うことができるでしょうか? 言われのない診療拒否を受けたり、不適切な対応をされることはないでしょうか?
だからといって、週3日の透析や花粉症の受診に、大病院であるエイズ診療拠点病院に通うことは、あまりにも非現実的です。

高次医療は拠点病院、一次医療は身近な町のクリニック、そんな「病診連携」(拠点病院と診療所との連携)の課題が、いよいよ切実になっています。
歯科は、これからのそんな「病診連携」のパイロットモデル(先行例)なのです。

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