VIII抗HIV薬の副作用

4.薬疹

 NVP、EFV、ETR、RPV、ABC、NFV、FPV、ATV、DRVなどでの報告が多い。軽度から中等度の皮疹で悪化傾向が急速でなければ、原因となる抗HIV薬を継続し、必要に応じて抗ヒスタミン薬などの対症療法を行うことで軽快することも多い。特にNFVやEFVでの発疹は、重症でなければ継続投与可能であり、経過観察のみで自然軽快することが多いことがわかっている。

 しかし、発疹が熱を伴い重篤な場合、粘膜疹を伴っている場合には、原因と思われる薬剤を即座に中止し、中止後も注意観察を続ける必要がある。NVPは特に重篤な皮膚粘膜反応であるスティーブンス・ジョンソン症候群や過敏反応の発生頻度が高く、投与開始時14日間は200mgを1日1回投与する導入期間をおき、その後に通常量の200mg1日2回投与に増量することとなっている。さらに、RALでも重症の皮膚反応として、スティーブンス・ジョンソン症候群や中毒性表皮壊死融解症が稀に報告されており、発疹を伴う全身性HSRと肝炎を伴う全身症状も報告されている。稀ではあるが、DTGにも薬剤性過敏症症候群として遅発性の重篤な過敏症状の報告がある51)

 ABCは過敏反応が問題となり、ときに重篤で致死的となる可能性もあるため、投与開始後の副作用症状には十分に気をつける必要がある。本剤で過敏反応が強く疑われた場合(過敏反応を疑う基準は添付文書を必ず参照すること)には投与を中止すべきである。過敏反応が出現した例への再投与例において、数時間以内に致死的な反応を起こす可能性も指摘されているため、過敏反応での中止後の再投与は行ってはならない。このABCにおける過敏反応についてはHLA-B*5701と高い相関があり、このHLA-B*5701の発現率に人種差があるため52)、欧米人と比較して日本人では過敏反応の出現率が低いことがわかっている。(日本人でのABCによる過敏症発現率は1.3%であったとの報告がある53)。)

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