XIHIV/HBV共感染者での抗HIV療法

9.HIV感染者におけるHBVワクチン、HAVワクチンの推奨

 HBV感染の拡がりが深刻となりつつある現在、HIV感染者で、HBV感染の既往がない場合あるいは既往があってもHBs抗体が低値の場合には、HBVワクチンの投与が推奨される(AII)14)。しかしCD4数が低値の場合には、ワクチンによるHBs抗体獲得率が低くなるため、CD4数が350/μLを下回る前にワクチン接種することが望ましいとされているが(AII)14)、CD4数が低い場合でも接種により免疫を獲得することもあるので、ART導入後に350/μL以上になるまで接種を遅らせる必要はないという(AII)14)。西田らの報告4)では、HIV感染者でのHBVワクチン標準投与(0, 1, 6カ月の3回投与)におけるHBs抗体獲得率は約40%に過ぎなかった。なお、同グループのHBs抗体未獲得者にHBVワクチンの2倍量投与を3回施行することにより約70%程度の症例で抗体獲得が得られるため29)、費用面で問題がなければHBVワクチン投与を積極的に施行すべきであろう。またHIV/HBV共感染者でHAV感染の既往が無い場合にはHAVワクチンの投与も強く推奨される(AIII)。

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