XIIHIV/HCV共感染者での抗HIV療法

10.HIV/HCV共感染症の抗HCV療法にあたっての原則

 HIV/HCV合併感染症の抗HCV療法にあたっては以下のことに注意する必要がある。

  1. CD4数が低い場合はHCVに対する免疫応答が不良であり、HCVに対するIFNを用いた抗ウイルス療法の効果も低い79)。従ってCD4数が200/μL未満の場合は抗HCV療法に先立ってARTの導入を行うことが現在DHHS(United States Department of Health and Human Services)から出されているガイドラインにおいても推奨されている。DAA併用療法とARTのどちらを先に行うべきかに関してははっきりした指針はないが、DAAの投与によりPBMCのHIV DNAが増加する症例がある80)こと、DAA併用療法の効果は線維化進展例でも良好であることを考えると、肝線維化進展例以外ではARTの導入を先に行うことが理にかなっていると思われる。
  2. 抗ウイルス療法によってHCVを排除できない症例も少数ではあるが存在する。こうした症例に関しても、ARTの導入を積極的に行うべきである。ARTを導入してもHCV RNA量をコントロールできるわけではないが、CD4数がきちんとコントロールされれば、肝線維化は抑えられるとする報告が多い。
  3. 共感染症における抗HCV療法の原則はHCV単独感染症と同じである。
  4. インターフェロン・リバビリン併用療法では以下の薬剤との併用をARTに含めることは原則として避けるべきである。
    1. AZT(貧血のリスクが著しく高くなるため)
    2. EFV(精神神経症状が強くなる危険性があるため)
  5. C型急性肝炎の症例は健康保険でDAA併用療法が認可されていないこと、慢性肝炎進展後でもDAA併用療法の効果が極めて高いことを考慮して、慢性化の確認後(急性肝炎発症6ヶ月以降)にDAAを導入することを原則とする。ただしプロトロンビン時間の延長など重症化が危惧される場合は肝臓専門医に相談の上、DAA併用療法を考慮する。

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