XIIHIV/HCV共感染者での抗HIV療法

3.HIV・HCV重複感染症と肝細胞の脂肪化

 C型肝炎の特徴に肝細胞の脂肪化(steatosis)が挙げられる。Genotype 3の場合に多く認められるが、本邦に多いGenotype 1bを含めた他のGenotypeでも脂肪化は認められる。脂肪化のメカニズムとしてHCVコア蛋白によるミトコンドリア電子伝達系の障害と引き続いて起こる脂肪酸のβ酸化の障害が重要な役割を果たしているとされている22)。HCV単独感染の場合、脂肪化の存在は肝線維化の進展、発癌と密接な関係があることが知られているが、重複感染症の場合も脂肪化の存在は進展した線維化と密接な関連があることがわかってきた23, 24)。CD4の数が少ない場合、HCV特異的CD8陽性リンパ球の割合が少なく、ウイルス増殖を抑制できない25)ために、肝組織中でのウイルス量が多く、肝細胞の脂肪化や炎症を経て線維化が進展することが一つの理由だと考えられる。また、HIVの感染そのものも肝細胞の脂肪化を促進することが最近報告された26)

 HIV/HCV共感染者における肝脂肪化のリスク因子としては飲酒、肥満があげられる。また、d4Tのようにミトコンドリア機能を阻害する薬剤により、肝脂肪化が進展する危険性がある。その一方、ARTによりCD4数が十分増えた症例では脂肪化が軽減することが示されており、注目される27)

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