XV医療従事者におけるHIVの曝露対策

3.血液・体液曝露時の直後の対応

 HIVの血液・体液曝露後に感染成立を完全に予防する方法は確立していない。CDCが中心となり2013年にガイドラインを改訂しており6)、基本的にはそれに基づいて当ガイドラインも組み立てられている。

 曝露後の最初の対応は局所洗浄である。血液または体液に曝露された創部または皮膚は石鹸と流水によって十分に洗浄する。ポビドンヨードや消毒用エタノールを使用してもよいが、その効果は確立されていない。粘膜は流水で十分に洗浄すべきである。口腔粘膜の汚染ではポビドンヨード含嗽水によるうがいを追加してもよい。

 曝露事象で感染の可能性が高いのは、AIDS、HIV RNA量1,500コピー/mL以上、針(器具)が中空(針)、血液・体液が肉眼的に見える、血管内に刺入された後の器具(針)、深い傷の場合であり、注意が必要である。Cochrane reviewにおいては、感染リスクとして①深い傷(オッズ比15)、②器具に目に見える血液付着(オッズ比6.2)、③AIDS末期(オッズ比5.6)、④血管内に挿入した後の器具(オッズ比4.3)が示された9)

 曝露由来患者のHIVに関する状態が不明な場合には、曝露後事象発生後は、事情を話してその患者にHIVスクリーニング検査を施行する。迅速検査が可能であれば、当然、迅速検査を実施する。

注:

由来患者へのHIVスクリーニング検査の同意を取る場合も、最低限、「針刺し事故がおきましたのでHIVスクリーニング検査をさせてください。結果は判り次第お伝えします。スクリーニング検査には偽陽性の場合もあり、確定診断がでるまでは時間がかかります。万が一HIVに感染されている場合でも現在は良い治療法や社会の支援制度があるので心配いりません」という内容を、プライバシーが守れる環境で告げる。

注:

曝露においてはHIVのみでなくHBVやHCVも考慮して対応する。

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