<>

Google

HOME > HIV診療における外来チーム医療マニュアル > 第3章 チームで支援する諸問題

4)パートナー・家族等への支援

患者にとってパートナーや家族等の病気を知っている人(以下、身近な支援者)の存在は、療養生活に前向きになるなど病気と上手につきあっていくことが期待出来る。このような身近な支援者は、患者を気にかけ、時に元気づけたり、薬を飲み忘れないよう注意してくれたりなど医療者以上の役割が期待できる。しかし患者によっては身近な人に病名を話すことが難しかったり、また身近な支援者も患者への接し方が分からなかったりする。また身近な支援者には、患者の病名を知る人がその人に限られている場合など特に「病気を打ち明けられた」負担を抱えていることがある。

病名を打ち明ける患者側の工夫として①対象者の選択、②打ち明ける時期や内容、③身近な支援者へのフォローアップの方法の打ち合わせを行うことが望ましい。①について性的パートナー、配偶者の場合はその方たちの健康管理も重要な課題となる。

患者にとって身近な支援者の獲得の重要性は理解されているが、身近な支援者は患者自身ではないため、病気の正しい知識がない時期には不安や混乱も多い。患者との関係性によってはHIV抗体検査を含む各種性感染症の検査が必要になる。患者が病名を打ち明けた後の身近な支援者への支援体制(検査を含む)を事前に説明し計画的に行われることが好ましい。

新規患者の中には、既に身近に支援者を得た後、外来受診を開始していることもある。また外来通院しながら、病名を告白する患者もある。告知の対象者はパートナーや親・兄弟姉妹などの身近な人が多く、病名を打ち明けるタイミングは①初診時②身体障害者手帳など社会資源の活用をするとき③抗HIV療法を開始するとき④入院時などが考えられる。医師などスタッフは、フォローアップの面接を行い、治療や生活上の注意点等の説明する。

(1)身近な支援者に対するフォローアップの面接で医療者が心がけること

身近な支援者が患者の支援を行う上で重要なことは、患者同様にHIV感染症に関する正しい知識を持つことである。患者の良き理解者・治療の協力者を続けるためにも、時々患者の診察に同行し、医療者から病状や状況の説明を聞く機会を提案することも有用である。

面接では具体的に次の説明を行う。①未治療では進行性であること、②内服による治療ができること、③患者の自己管理が重要であること、④患者が易感染状態にあること、⑤感染経路は限定されており感染予防は可能であること、などである。この知識をもとに患者が身近な支援者に個別にどのような支援を求めているかを確認する。

自己管理が出来ている患者の場合には、身近な支援者が、患者を過剰に心配したり、患者に無断で他者に病気を話したり、患者の行動を非難したり、むやみに忠告したりすることをないよう助言する。

身近な支援者はその支援者が抱く負担軽減のためにも、複数であることが望ましいが、患者に意見を聞きながら検討していく。

(2)遺族への支援

患者が亡くなった後に遺族等がその病院を訪れることは患者の看病当時を思い出させたりするため遺族等にとって容易なことではない。看取りにかかわったスタッフは、遺族等に連絡を検討するなどグリーフケアを行う。遺族の中には、感謝の気持ちをスタッフに述べたいと希望することがあるので、連絡を受けたスタッフは面会する機会を設ける。

薬害エイズ被害者に関する研究結果によるケア支援対策は、薬害のみならずすべての感染者の遺族ケアの参考になる。最愛の家族等の悲しみは当然であるが、社会の偏見や誤解、親しい身内にも病名を隠して看病を続けたことなど感染症の特有の体験により、遺族の負担が考えられる。近年、進歩を遂げている我が国の緩和ケアやグリーフケアと合わせ、「薬害HIV感染被害者遺族等へのメンタルケアに関するマニュアル」(監修財団法人友愛福祉財団実施事業)を参照いただきたい。

<>

PAGE TOP

アンケートにご協力ください。

このページは役に立ちましたか?

コメント